日鉄ソリューションズビズテック株式会社
最新の法令・制度に対応できることが導入の決め手。「労働時間管理」を超え、働き方を「セルフマネジメント」できる環境へ。
事例ポイント
課題
- 勤怠や経費業務のほとんどを手作業で行なっていた
- 残業見込み時間の計算・報告に大変な手間がかかっていた
- 自社開発の勤怠管理システムの法改正対応に悩んでいた
決め手
- 無償アップデートで常に最新の法令・制度に対応した労務管理ができる
- 深夜勤務や在宅勤務など、さまざまな働き方に対応している
- スマホでも勤怠打刻や経費精算ができる
効果
- 自動化により、月締め作業が大幅に効率化された
- 残業時間の見込みが自動計算され、先手の労務管理ができるようになった
- 出先でもテレワークでも勤怠打刻・経費精算・稟議回覧ができるようになった
事例概要
機能 | 勤怠管理, 工数管理, 経費精算, 電子稟議, 社内SNS, レポート・ダッシュボード |
---|---|
業種 | IT・インターネット, システム開発 |
従業員数 | 100~499人 |
特徴 | 自動化による作業時間の削減, ペーパーレス・脱エクセル, テレワークなど多様な働き方の推進, 最新法令への対応, データの見える化・分析, システム運用負荷の軽減 |
2019年4月の「働き方改革関連法」施行やコロナ禍を背景に、めまぐるしく変化し続けている日本の労働環境。従業員の労働時間・休暇日数の正確な管理、多様な雇用形態・柔軟な働き方の実現など、企業にはこれまでになくスピーディーな対応が求められている。
日本製鉄グループ内のSI企業として、製造・金融・流通・医療など幅広い業界のシステム開発を手がける日鉄ソリューションズビズテック株式会社 (取材当時社名:テックスエンジソリューションズ株式会社) は、チームスピリットを活用することで単なる「労働時間管理」を超え、一人ひとりが自分の働き方を「セルフマネジメント」できる環境の実現を目指している。社員が健康に、安心して働くことができる社風を大切にする同社がチームスピリットの導入を決めた理由はどこにあったのか。また導入効果についてどう感じているのか。管理部総務・人事グループ長 松山雅之氏、技術部情報システムグループマネジャー 竹下秀樹氏に話を聞いた。
導入前の課題
間接業務のほとんどが手作業。社員の過重労働をリアルタイムで把握することもできない状態に
「以前は自社で構築したオンプレミス型システムを使用していましたが、事務作業の多くが紙の書類と手入力だったため、現場社員も管理部門の社員もルーティーン業務をこなすのに大変な手間と時間がかかっていました」そう語るのは管理部総務・人事グループ長 松山雅之氏だ。
経理担当者は毎月何百件と発生する交通費精算の仕訳を1件1件、手で会計システムに入力していた。データのチェック機能が備わっていなかったため慎重な作業が求められていたほか、膨大な紙の書類をファイリングする必要もあった。また約半数の社員が客先常駐でプロジェクトに携わっているにもかかわらず、当時の勤怠管理システムや経費管理システムには外部端末からアクセスすることができなかった。そのため多くの社員が就業後、自宅に帰ってから自社で支給されたパソコンを起動して勤怠や経費を入力していたという。
「人事担当者としてとくに大変だと感じていたのが、毎月中旬に行っていた全社員の残業見込み時間のレポート作成です。月初10日間の勤務実績から月末までの残業時間の見込みを手作業で計算し、レポートにまとめて管理職にメールで送付していました。IT業界全体の課題でもありますが、当社でも社員の長時間労働がたびたび問題となっていました。過重労働を未然に防ぐためにレポートを作成していたものの、勤務状況をリアルタイムで周知することはできていませんでした」(松山氏)
導入の決め手
最新の法令・制度に対応した労務管理を正確かつ効率的に実現できるサービスを求めていた。
そんななか、2018年6月に「働き方改革関連法案」が成立。労働基準法をはじめとするさまざまな法律が改正されることとなった。 「『時間外労働時間の上限規制』や『年5日の年次有給休暇取得義務』など、より複雑な労務管理が求められるようになりましたが、それらに自社システムを対応させるのは難しい状況でした。人事担当者が法改正の内容を正しく理解し、そこから要件をシステムへと落とし込んで社内の業務フローも変更するとなると、大変な時間と労力がかかります。開発リソースも十分ではなかったので、法改正への対応を正確かつ効率的に行えるクラウドサービスを導入したいというのが一番の希望でした」と松山氏は振り返る。
チームスピリットを導入すれば、無償アップデートにより常に最新の法令・制度に対応した労務管理を実現することができる。技術部情報システムグループマネジャー 竹下秀樹氏も「チームスピリットを通して法改正の内容や標準的な業務フローを理解し、自社に必要な機能であれば使用する、必要なければ使用しないという判断をするだけで新しい法令に対応できるというのはとても魅力的」だと語る。
深夜勤務や在宅勤務など、さまざまな働き方に対応していることも決め手のひとつだった。「多様な働き方に対応している勤怠管理のサービスは他にもありましたが、比較検討していたサービスは機能過多で費用が高いものか、安くて柔軟性が足りないもののどちらかでした」と松山氏。チームスピリットはコスト的にも機能的にも同社のニーズにマッチしていたという。
もうひとつの大きなポイントが、スマートフォン対応だ。 「当社は全社員にスマートフォンを支給しているため、スマートフォンで出退勤の打刻や経費精算ができるようになれば、以前のように帰宅してからわざわざパソコンを開いて勤怠や経費を記録する必要がなくなります。さらにチームスピリットでは従業員が入力した経費精算のデータを元に振込データが自動作成され、レポート機能を使って仕訳データを作成することができるので、経理担当者の手入力の工数もゼロにすることができます。業務効率化はもちろん、法令遵守の観点にも役立つと思いました」(松山氏)
導入の効果
労働時間・休暇取得状況の「見える化」により、多くの社員が自分の働き方を意識するように。
同社ではチームスピリットのホーム画面に、「今月は総労働時間が何時間になると36協定の月45時間を超過するかという通知や36協定の届出書、メンタルヘルスやコンプライアンスに関する相談窓口などを表示し、社員それぞれが自分の働き方について考えられるよう工夫している。日々の労働時間や年次有給休暇の取得状況などについてのレポートを手軽に見ることができるほか、時間外労働が上限規制を超えそうな場合には、事前に本人や上司にメールでアラートが通知される。
「労働時間の短縮については、社長自らがメッセージを発信したり、人事担当者が積極的に呼びかけたりして頑張って浸透させてきたつもりです。しかし本当に社員の意識が変わったのは、それぞれの働き方が『見える化』されたことがきっかけだったと思います」と松山氏。チームスピリットを導入してから、労働時間管理についてかなり突っ込んだ質問を受けることが増えたという。働く時間に対する意識が組織のなかで高まっていることを、ひしひしと感じているそうだ。
「残業時間の見込みも自動計算されるので、これまで月次で出していたレポートが週次で出せるようになり、先手の労務管理ができるようになってきました。ただ、まだ満足はしていません。一番の理想は一人ひとりが自分の働き方を日々振り返り、より主体的・自律的な働き方を自ら実現していくことだと考えています。これからさらにシステムを充実させて、セルフマネジメントができる環境を整えていきたいと思います」(松山氏)
電子稟議で在宅勤務への移行もスムーズに。
決裁過程が可視化されたことで安心感が高まったと社員からも高評価。
コロナ禍から在宅勤務制度を設けていた同社。電子稟議機能を活用することで、いつでもどこからでもペーパーレスで申請・承認作業ができるようになった。 「出産・育児・介護関連の申請書、印鑑の捺印申請まで、人事・総務関連の申請業務のほとんどがオンライン化されました。コロナ禍で在宅勤務が増えるなか、オンラインで稟議申請ができるのはかなりメリットが大きく、書類に印鑑を押すために出社するということも減少しました。申請から承認までの期間も短くなり、決裁過程がすべて可視化されることで安心感が高まったと社員からも評価されています」と松山氏。
また、以前のシステムでは人事と会計では個別にワークフローを設定する必要があったが、チームスピリットでは部門に関わらずワークフローを一元管理できる。「組織変更時のメンテナンスも圧倒的に楽になり、情報システムグループとてもチームスピリット導入のメリットを実感しています」と竹下氏も語ってくれた。
今後は、工数管理を活用した業務分析や人材マネジメントなども導入し、より創造的な働き方ができる組織づくりを目指していきたいという松山氏。「私自身が元々エンジニアなので、チームスピリットのプレミアサポート(※)でコンサルタントの方と技術的なことを直接やりとりできるのがとてもありがたいです。まだまだ実現したいことや課題がたくさんあるので、ぜひアドバイスをいただきながらよりよい環境を整えていきたいと考えています」
(※)プレミアサポート:お客様の専任コンサルタントがサポートを行う有償サービス(年間契約)
勤怠・工数・経費精算などをクラウドで一元化
日鉄ソリューションズビズテック株式会社
- 設立
- 2004年7月 (取材当時社名:テックスエンジソリューションズ株式会社)
- 事業内容
- 日本製鉄グループの安定した経営基盤のもと、製造業で培われた業務知見とマネジメント力を生かし、製造・金融・流通・医療など幅広い業界の顧客に向けたSI事業を展開。
- URL
- https://nsbtc.nssol.nipponsteel.com/
- 取材年月
- 2021年7月