UiPath株式会社
ワークプレイスを決めるのは、一人ひとりの社員自身~UiPathらしい働き方と今後のタレントマネジメントを見据えて選んだTeamSpirit~
事例ポイント
課題
- 組織の急拡大により、管理業務の見直しが必要だった
- 残業時間や有給休暇の残日数等の管理を最適化し、ガバナンスを強化したかった
決め手
- プラットフォームのセキュリティや安定性に安心感がある
- 今後のタレントマネジメント円滑化を目指す上で最適なソリューションだと判断
効果
- 残業時間や有給休暇の取得/残日数等をリアルタイムに把握できるようになった
- 法令で定められた残業時間を超過しないよう、自動アラートで効率的な管理を実現
- 現場からは、勤怠登録時に感じる"不満"が減った
事例概要
機能 | 勤怠管理, 工数管理, 電子稟議, プロジェクト原価管理, 社員情報・マイナンバー管理, レポート・ダッシュボード |
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業種 | IT・インターネット, システム開発 |
従業員数 | 100~499人 |
特徴 | テレワークなど多様な働き方の推進, 最新法令への対応, データの見える化・分析, セキュリティ強化, システム運用負荷の軽減 |
「人口減少と超高齢社会の現実化」に端を発する労働人口の減少は、さまざまな業界・業種における人材不足の問題として顕在化し始めている。また、これを解決するべく、AIやロボットテクノロジーを積極的に活用しようとする企業が増えているのも周知の通りだ。
ただ、先端技術を取り込むにあたり、社内でイチから体制を整えて対応しようとすると、困難に直面する場合が多々考えられる。今日、大胆なデジタルトランスフォーメーションをより早く進めるには、最先端の技術を提供している外部の優れた企業の存在が不可欠となっている、というのはこのためだ。
例えば、UiPath株式会社は、そうした存在のなかでもエスタブリッシュな企業と連携し成長を続ける企業として注目されている会社のひとつだ。UiPathが提供しているRPAとは、定型業務を仮想のロボットによって自動化させる技術のこと。同社では、「A Robot for Every Person」をコンセプトに、一人ひとりがロボットを秘書のように使いこなし、自分は高付加価値な仕事に集中する世界の実現を構想し、提案している。
UiPathはなぜ、勤怠管理や工数管理など、自社にとっての重要なシステムにTeamSpiritを選んだのか?
人事本部長である蓜島大気氏に話を聞いた。
少数精鋭のスタートアップからの急成長
2017年2月に日本法人が設立された当時、社員数は2〜3名だったというUiPath。RPAが日本市場に受け入れられるかどうかも未知数だったこともあり、当初は人材採用より本社をはじめとするグローバルからエンジニアを招へいしながら業務を進めていったという。
それが現在では、340人ほどのスタッフを抱え、クライアント数も1500社超までに急成長している。(いずれも数は2020年3月時点)
「こうした変化に合わせて、ガバナンスを保ち、給与計算や有給休暇等の日数管理など『絶対間違えられないこと』を最適化するためにも、まずは労務管理のソリューションを見直すことになりました。選定を経て、過去のシステムから2018年にリプレイスしたのが『TeamSpirit』だった、というわけです」と、蓜島氏。
選定条件についても話を聞くと、「当時の担当者や社内資料によると、セールスフォースのプラットフォーム上に搭載されていることや今後のUiPathのタレントマネジメントを円滑にする意味でも『TeamSpirit』が最適だとの判断があったようです」と、教えてくれた。
「この場所で働きたい」と思うところを仕事場にする
UiPathでは、自社の労務管理のガバナンスを保つにあたり、同社の気風を大切にすることも重要視しているとのこと。
蓜島氏は、「UiPathは米国本社を中心に、世界で25以上のオフィスと2,900人超のスタッフが在籍していますが、『ワークプレイスはどこを選択してもいい。選択した場所があなたにとって最適なワークプレイスだ 』という哲学が共有されています」と、創業以来の文化を感じさせるエピソードを披露してくれた。
この柔軟な発想の背景には、「自分にとってこの場所で働けると居心地がいい、働きやすいというところで働けることが最も望ましいことだ」という創業者の考えがあるようだ。
これは日本法人でも引き継がれており、「ガバナンスを保つ上での最低限の約束が守られているなら、在宅を含め、働く場所の選択肢は多く委ねられていると言えます。たとえば、『在宅します』と前日までに申請してくれれば認めるし、私の部署では『午前在宅・午後出社』という働き方が珍しくありません」と、蓜島氏。
もちろん、就業規則やフレックス制度のコアタイムを守る必要はある。また、顧客との取り決めを果たすために、「いつでも自由に働く場所を決められる」というわけでもないだろう。しかし、蓜島氏は、「業務上支障がなくて、目標やミッションが達成できれば、基本的には『こう働きたい』ということを申請してくれれば、承認のハードルが非常に低いのがUiPathの働き方です」と、社内文化を伝えてくれた。
続けて、「このUiPath的な働き方を実現するには、『TeamSpirit』が大いに役立ちました。管理部門として、個性豊かな社員たちの勤怠状況や休憩時間をタイムリーに把握することは欠かせないことです」と、TeamSpiritを評価した。
手間を省けるところはラクして、管理はしっかりと
現在は順調にTeamSpiritを利用している同社だが、導入から運用までチームスピリットがサポートする、プレミアサポートの契約も行なっている。
多数のエンジニアを抱える同社があえて外部のリソースを頼ったのはなぜか? どのようなことを期待したのか聞いてみたところ、「コーポレート部門には、やはり自動化できていない部分はあります。それを洗い出してどう自動化するかを考え実行するとなると、自社内のエンジニアを頼る必要が出てくるでしょう。しかし、エンジニアのリソースを有効に活用することを考えたら、社内の環境整備にリソースを割くより、本来の業務に集中してもらった方がいいと判断しています。そうした意味で、お任せした方が利点は多いと考えました」と、蓜島氏ほか社内の判断を振り返った。
導入によって、最も「ラクして、しっかり管理できている」ことのひとつとして挙げられたのは、36協定に抵触しないようスタッフ全員の勤務時間の把握と注意喚起の体制づくりとのこと。
「時間外労働(休日労働は含まず)の上限が原則として月45時間と定められているので、そこに到達するまでに、20時間、35時間、40時間に到達すると、上長と本人に自動でアラートメールを送るようにTeamSpirit上で設定しています。
今までは人事部が対象者を捕捉してアラートを出す必要がありましたが、システムで代替できるようになったので、管理部門としては負担軽減になっています。スタッフ数が300人を超えているので、定常的な人事の業務をこなすだけでも負荷は大きくなっているなかで、このような機能はありがたいと感じています」と、感想を語ってくれた。
働き方改革の可視化、生産性向上のためのデータ活用
日本の働き方改革を支援する同社にとって、社内の生産性向上も大変重要なテーマだと言えよう。では、どのようにそれを叶えるか?
この点について蓜島氏は、「TeamSpiritによって、働き方が可視化され、データとして蓄積されもするようになりました。その蓄積情報を分析し、生産性向上の道筋を立てていく予定です。たとえば、営業担当者がアポを取る時間や訪問にかかる時間、資料作成等の時間を総合して、『どういう時間配分の社員がハイパフォーマンスなのか』を見つけ、そのメソッドを社内で共有していきたいと考えています」と語り、今後、UiPath自体の成長と社員全員の能力の底上げにもTeamSpiritを活用していくとの見通しを示してくれた。
勤怠・工数・経費精算などをクラウドで一元化
UiPath株式会社
- 設立
- 2017年2月(日本法人)
- 事業内容
- ロボティック・プロセス・オートメーション(以下RPA)の販売・サポート
ソフトウェアのクライアント導入に向けたソリューション提案、コンサルティング会社及び主要システムベンダーへのコンサルティング及び技術支援
製品へのエンハンスメント・デザイン設計
AI/コグニティブとRPAソフトウェアとの連携のデザイン・開発及び導入のサポート
主要金融機関、製造業、官公庁等への新しいワークフローの提案 - URL
- https://www.uipath.com/ja
- 取材年月
- 2020年3月(文中の所属・役職は取材時のものです)