時間単位の有給休暇(年休)とは?制度の始め方・メリット・デメリットも解説
著者:チームスピリット編集部
時間単位年休とは、1日単位ではなく「時間単位」で取得できる年次有給休暇のことです。
「銀行に寄るから2時間だけ有給休暇を取りたい」のような便利な使い方ができる仕組みで、導入すると従業員にとって大きなメリットがあります。
便利な制度にもかかわらず、厚生労働省の令和2年の調査結果によると、時間単位年休を導入している企業の割合はまだ22%に留まっています。
この記事では、時間単位年休とは何か、制度のポイント、メリット・デメリットを説明した後、導入するための7ステップ、よくあるQ&Aまで詳しく解説していきます。
「時間単位年休の存在は知っていて、自社でも取り入れるべきか考えたい」
「便利な制度だと思うけど、残り時間の管理などが難しそう」
「導入を検討しているので、正確なルールを把握して導入の仕方を教えてほしい」
など、なんとなく意味は把握しているものの、詳しいルールまでは理解できていないという方はぜひ参考にしてください。
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時間単位年休(時間単位の有給休暇)とは
時間単位年休とは、「時間単位」で取得できる年次有給休暇のことをいいます。日単位または半日単位で取得する年次有給休暇を、時間単位で取得できるようにしたものです。
平成22年4月施行の改正労働基準法から導入され、1年に5日分を限度として時間単位での年次有給休暇の取得が可能となりました。
例えば、朝2時間ほど銀行や役所によってから出勤したいという場合、その2時間のみを年次有給休暇にすることができる制度です。1年に付与されている年次有給休暇が10日ある場合に、そのうち5日分(40時間分など)の有給休暇を、時間単位で取得することができます。
※取得できる日数は最大5日なので、就業規則によって4日や3日というケースもあります。
時間単位年休について押さえておくべきポイント
時間単位年休(時間単位の有給休暇)の制度のポイントを確認しておきましょう。
導入するためには就業規則への記載と労使協定の締結が必要
時間単位年休を始めるためには、時間単位年休の付与について就業規則へ記載し、さらに、「労働者の過半数で組織する労働組合」または「労働者の過半数を代表する者」との間で、書面による協定(労使協定)を締結する必要があります。
労使協定で定める項目
- 時間単位年休の対象労働者の範囲
- 時間単位年休の日数(5日以内の範囲)
- 時間単位年休1日の時間数
- 1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数
就業規則や労使協定の書面の書き方については、本記事後半の「時間単位年休を導入する方法・7ステップ」で詳しく後述しています。
時間単位年休にできるのは繰り越し分も含めて年5日まで
時間単位年休は年間5日までと定められています。
年内に時間単位年休を消化できなかった場合に、翌年に繰越すことは可能です。しかし、前年の繰り越しを含めて5日を超えてしまうというケースでも、1年で取得できる時間単位年休は5日分というのは変わらないので注意してください。
※出典:3.年次有給休暇の時間単位付与(PDF)|厚生労働省
1日あたりの時間数は所定労働時間が基本になる
年5日まで取得できる時間単位年休ですが、「年5日とは何時間?」「1日あたりの時間数は何時間?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
時間単位年休の1日あたりの時間数は、所定労働時間を基に算出します。1時間に満たない端数がある場合は、時間単位に切り上げます。
- 所定労働時間が8時間の場合、時間単位年休の1日あたりの時間数は8時間
- 所定労働時間が7.5時間の場合も、時間単位年休の1日あたりの時間数は8時間
➡取得できる日数が年5日の場合、8時間×5時間=40時間を時間単位年休として取得できる
取得単位は「1時間単位」が一般的ですが、就業規則で定めれば「2時間単位」や「3時間単位」なども可能です。ただし最短の単位は「1時間」となり、1時間未満の分単位(例えば30分など)での付与や取得はできません。
時間単位年休は半日単位の年次有給休暇と併用できる
時間単位年休を導入したからといって半日単位の年次有給休暇を廃止する必要はなく、どちらも併用することができます。なお、半日単位の年次有給休暇には、時間単位年休のような日数の限度はありません。
以下の表は、所定労働時間が1日8時間で、20日の年休があり、時間単位年休を5日まで取得できる場合の運用イメージです。
これら以外にも、対象となる労働者の範囲や時季変更権の考え方など、押さえておくべきポイントがあります。実際に導入する場合には、社労士の方など専門家と相談しながら進めることをおすすめします。
なお「時間単位年休を導入する方法・7ステップ」では導入の進め方についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
時間単位年休を導入するメリット
時間単位年休(時間単位の有給休暇)を導入するメリットは、従業員が、さまざまな理由に応じて必要な時間だけ休暇が取得できるようになることです。
数時間で終わる所用などのために半休や年休を取らずに済み、年次有給休暇を有効活用できる制度といえます。また、時間単位で取得できるため、周りの人にそれほど気兼ねせずに取得できる心理的なハードルの低さも嬉しいポイントです。
例えば株式会社クボタでは、有給休暇の取得率を上げるため、2016年から時間単位年休を導入しています。もともとは有給休暇の取得率が50%台と低い状態にありましたが、1時間単位で取得できるようになったことで、取得率を110.5%まで上げることに成功しました(その他の制度も組み合わせた場合の水準です)。
※参考:株式会社クボタ | 企業の取組事例 | 年次有給休暇取得促進特設サイト
また時間単位年休は、従業員満足度の向上や多様な働き方の整備、女性の活躍機会を増やすことにもつながり、うまくすれば生産性向上や離職率低下、優秀な人材確保などにもつながるでしょう。労使ともにメリットが大きい制度といえます。
ここからは、時間単位年休のメリットを享受できるケースとして、以下の3つの具体的なケースを紹介します。
時間単位年休のメリットを享受できる3つの具体例
・銀行の手続きなど突発的な所用を済ませられる
・育児や介護の支援につながる
・通院などにも利用できる
銀行の手続きなど突発的な所用を済ませられる
朝2時間ほど銀行や役所によってから出勤したいなどというケースで、半休を取得して用事を済ませた経験がある方は多いのではないでしょうか。
2時間だけ休みが取れれば良いのに3時間や4時間も休むことになり、せっかくの年次有給休暇を無駄にしたと感じた方もいるのではないかと思います。
時間単位年休があれば、1時間単位での取得が可能なので、実際に用事にかかった2時間のみを年次有給休暇として取得することができます。
育児や介護の支援につながる
子育て中の夫婦や介護が必要な親を持つ従業員にとっても、時間単位年休は、仕事と私生活とのバランスを保つために強い味方となってくれることでしょう。
例えば、子どもが3歳を過ぎて時短勤務ができなくなった場合などには、夫婦で時間単位年休を活用していけば、子育ての大変な時期を乗り越えていけそうです。
時短勤務の場合、一般的に受け取る給料が減ってしまいますが、時間単位年休は年次有給休暇なので給料が減ることもありません。
介護でたびたび半休や年休を取っていて周りに引け目を感じていたという方も、時間単位年休ならば、心理的ハードルを下げて取得することができるでしょう。
通院などにも利用できる
持病を持っており「たびたび通院が必要」という従業員にとっても、時間単位年休は魅力的な制度です。
時間単位年休がない場合、病院に通いたくても、半休または1日単位の年休を活用するか、退勤後など仕事以外の時間を利用するしか方法がありませんでした。
時間単位年休があれば、フレックス勤務でなくても、通常より遅く出社したり早上がりをしたり中抜けをしたりして、無理なく通院することができるようになるでしょう。
通院のしやすさを担保できる仕組みなので、従業員のメンタルケアや健康管理にもつながります。
時間単位年休を導入するデメリット
時間単位年休(時間単位の有給休暇)を導入する上でのデメリットは、やはり「年次有給休暇の管理や給与計算が煩雑になる」ということでしょう。
特に、紙やスプレッドシートで休暇管理をしていたのでは、労務管理者の残業が大幅に増えてしまうことは避けられません。
対策として、年次有給休暇の時間管理を容易にするために時間単位を2時間にするなどということも考えられます。しかし、それではせっかくの時間単位年休のメリットが少なくなってしまいます。
「では、時間単位年休の導入を諦めた方が良いのか?」というと、そのようなことはありません。時間単位年休に対応した勤怠管理システムを導入すれば、このデメリットを無くすことができるからです。
時間単位年休に対応している勤怠管理システムを導入すれば、全従業員に対して、「5日分(40時間分)の時間単位年休の残数がどのくらいあるのか」などを、システムの機能を利用して正確に管理できます。
また、従業員が時間単位年休の休暇申請を行える仕組みもあるため、勤怠管理のフローを効率化して労務管理者の手間を減らすことが可能です。
デメリットなく時間単位年休を導入したい場合には、時間単位年休に対応した勤怠管理システムの導入を併せて行うことをおすすめします。
働き方改革で時間単位年休を導入する企業の割合
「働き方改革」が注目されるようになってからは、時間単位年休(時間単位の有給休暇)を導入する企業が増えています。
労働政策研究・研修機構が2020年に行った「年次有給休暇の取得に関するアンケート調査」では、調査対象1万7,000社(全国の従業員30人以上の企業)の内、22.0%が「時間単位の有給休暇を導入している」と回答しています。
▼導入理由
- 日単位・半日単位に満たない時間の取得が可能で便利(70.0%)
- 個人的な事情に対応した休暇取得が可能になる(57.3%)
- 年休の取得促進のため(56.5%)
- 育児、介護の支援(49.0%)
- 仕事と治療の両立支援(42.1%)
時間単位年休を導入する方法・7ステップ
時間単位年休(時間単位の有給休暇)の導入を進めたい企業担当者のために、導入する方法を7ステップで解説していきます。
ステップ1:対象者の範囲を決める
時間単位年休の導入には、就業規則への記載と労使協定の締結が必要となります。そのため、具体的に就業規則に記載する内容(自社ではどのような制度にするかなど)を、最初に決めていきます。
まずは、時間単位年休を取得できる対象者の範囲を決めます。
年次有給休暇を付与されている全従業員を対象とするのが原則ですが、「正常な事業運営を妨げる場合」に限り、一部の従業員を対象外とすることも可能です。
〇対象外にできるケース例 |
一斉に作業を行わなければならない業務に就いている従業員を、時間単位年休の対象外にすることは可能です |
---|---|
✖対象外にできないケース例 |
「育児を行う労働者」「通院する労働者」など、年休の取得目的によって対象外とすることはできません |
ステップ2:時間単位年休を取得できる「日数」を決める
前述した通り、時間単位年休を取得できる日数は、法律で「1年間で5日まで」と決まっています。企業ごとに、この範囲内(1日~5日)で日数を自由に設定することができます。
なお、厚生労働省のデータによると、約83.1%の企業が「年5日」を選択しています(令和2年調査データ)。
※参考(PDF):資料 No.3-2 年次有給休暇の現状について|厚生労働省の画像を加工して作成
ステップ3:1日あたりの時間数を算出する
時間単位年休の1日あたりの時間数は、所定労働時間を基に算出します。1時間に満たない端数がある場合は、時間単位に切り上げます。
- 所定労働時間が8時間の場合、時間単位年休の1日あたりの時間数は8時間
- 所定労働時間が7.5時間の場合も、時間単位年休の1日あたりの時間数は8時間
日によって勤務時間がバラバラな場合には、1年間の1日平均所定労働時間を基準に「1日あたりの時間数」を決めます。
ステップ4:取得単位を決める(1時間単位・2時間単位など)
時間単位年休の取得単位は一般的には「1時間単位」ですが、就業規則で定めれば、「2時間単位」や「3時間単位」などとすることができます。
ただし、取得単位は1時間を最短として、1日の所定労働時間数未満に設定してください。例えば、1日の所定労働時間が7.5時間の場合に、時間単位年休の取得単位を8時間にすることはできません。また、30分や15分など1時間未満を取得単位とすることもできません。
取得単位を「1時間単位」以外にする場合には、就業規則でその旨を定めることを忘れないようにしましょう。
ステップ5:就業規則に記載する
ステップ1〜5の内容が決まったら、就業規則に、年次有給休暇を時間単位で付与する旨の規定を記載しましょう。
以下のように、厚生労働省が「モデル就業規則」を用意しているので参考にしてみてください。
(時間単位の年次有給休暇)
第■条 労使協定に基づき、前条の年次有給休暇の日数のうち、1年について5日の範囲内で、次により時間単位の年次有給休暇(以下「時間単位年休」という。)を付与する。この5日には、前年の時間単位年休に係る繰越し分を含める。
(1) 時間単位年休付与の対象者は、すべての従業員とする。
(2) 時間単位年休を取得する場合の、1日の年次有給休暇に相当する時間数は次のとおりとする。
① 所定労働時間が5時間を超え6時間以下の者 6時間
② 所定労働時間が6時間を超え7時間以下の者 7時間
③ 所定労働時間が7時間を超え8時間以下の者 8時間
(3) 時間単位年休は、1時間単位で付与する。
(4) 本条の時間単位年休に支払われる賃金額は、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の1時間当たりの額に、取得した時間単位年休の時間数を乗じた額とする。
(5) 上記以外の事項については、前条の年次有給休暇と同様とする。
※引用:時間単位の年次有給休暇を設ける場合の就業規則規定例|厚生労働省
※年次有給休暇の規定が前条にあり、時間単位年休の場合も前条と同様の請求手続き、次年繰越、時季変更権の行使等の規定が有ることを前提としています。
ステップ6:労使協定を締結する
就業規則を変更した後は、「労働者の過半数で組織する労働組合」または「労働者の過半数を代表する者」との間で、書面による協定(労使協定)を締結します。
具体的には、以下の4つの項目を労使協定で定める必要があります。
- 時間単位年休の対象労働者の範囲
- 時間単位年休の日数(5日以内の範囲)
- 時間単位年休1日の時間数
- 1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数
労使協定の記載例は以下です。
(対象者)
第1条 すべての従業員を対象とする。
(日数の上限)
第2条 年次有給休暇を時間単位で取得することができる日数は5日以内とする。
(1日分年次有給休暇に相当する時間単位年休)
第3条 年次有給休暇を時間単位で取得する場合は、1日の年次有給休暇に相当する時間数を8時間とする。
(取得単位)
第4条 年次有給休暇を時間単位で取得する場合は、1時間単位で取得するものとする。
※引用:3.年次有給休暇の時間単位付与(PDF)|厚生労働省
なお、この労使協定は、所轄の労働基準監督署に届け出る必要はありません。
ステップ7:社内でルールを決めてスタートする
就業規則への記載と労使協定の締結が終われば、時間単位年休制度を開始できます。
社内でスムーズに時間単位年休を取得できるよう、必要に応じて細かい使用ルールや申請方法などを決めておくことをおすすめします。
なお、時間単位年休の「時季変更権」ができる条件や「中抜け」を禁止しては行けないことなど、細かい制度ルールについて知りたい方は以下のQ&Aもぜひ参考にしてみてください。
時間単位年休を導入する上でよくあるQ&A
最後に、時間単位年休(時間単位の有給休暇)についてのよくある質問と答えをまとめました。
時間単位年休を「5日間の有給取得義務化」にカウントすることはできますか?
【答え】いいえ、含めることはできません。
2019年4月の働き方改革関連法の施行により、企業は対象者に年次有給休暇を年5日間取得させることが義務付けられました。
この5日間に時間単位年休をカウントすることはできません。従業員が時間単位年休を5日分取得したとしても、それ以外に、5日間の年次有給休暇を別途取得させる必要があるので注意しましょう。
取得義務化については、「年次有給休暇の年5日取得義務とは?罰則や取得させるための方法も解説」の記事もご覧ください。
時間単位年休にも「時季変更権」は認められますか?
【答え】事業の正常な運営を妨げる場合には認められます。
※時季変更権とは、従業員の年次有給休暇を別の時季に変更できる権利のことです。
時間単位年休は年次有給休暇の一種なので、事業の正常な運営を妨げる場合には「時季変更権」が認められます。
例えば、繁忙期で人員が減ると悪影響が大きい場合や、同じ時期に休暇の取得希望が重なった場合などには、使用時期の変更を求めることができます。
中抜けを禁止するなどの使用制限をかけることはできますか?
【答え】できません。時間単位年休の取得を制限できるのは、事業の正常な運営を妨げる場合のみです。
所定労働時間の中途に取得すること(いわゆる「中抜け」)を制限したり禁止したりすることはできないので注意しましょう。
時短勤務者の時間単位年休の1日あたりの時間数はどうなりますか?
【答え】時短勤務の場合の所定労働時間に合わせましょう。
時間単位年休の1日あたりの時間数は、所定労働時間が基準となります。時短勤務で働いている場合には、時短勤務の場合の所定労働時間に合わせます。
<時短勤務の所定労働時間が6時間の場合>
通常勤務 |
時短勤務者 |
|
---|---|---|
所定労働時間 |
8時間 |
6時間 |
時間単位年休の 1日あたりの時間数 |
8時間 |
6時間 |
時間単位年休の取得可能日数が5日なら |
取得上限時間は 8時間×5日=40時間 |
取得上限時間は 6時間×5日=30時間 |
年間5日を超えて時間単位年休を取得するのは違法ですか?
【答え】はい、違法です。
時間単位年休を取得できるのは年間5日まで(所定労働時間が8時間なら合計40時間分)であり、それを超える分の時間単位年休を取得させることは労働基準法第39条第4項に反する行為となり、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
年5日分の時間単位年休を取得し終えた場合には、それ以降は半日単位や1日単位での年次有給休暇を取得するようにしましょう。
時間単位年休は義務化されてますか?いつからですか?
【答え】時間単位年休の取得は義務化されていません。
「年次有給休暇を時間単位で取得させなければならない」という法律はありません。また、義務化の予定もないため「いつから」という答えはありません。
時間単位年休制度を導入するかしないかの判断は企業にゆだねられており、時間単位年休の制度がなくても違法ではありません。
時間単位年休に対して支払う賃金はどう計算すればいいですか?
【答え】時間単位年休1時間分の賃金額は、「以下①②③いずれかによる賃金(日給換算したもの)÷その日の所定労働時間数」で計算します。
①平均賃金
②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
③標準報酬日額(労使協定が必要)
例えば、②で計算した結果、1日あたりの有給取得時給与額が15,000円だったとします。
時間単位年休を取得した日の所定労働時間が8時間だった場合、時間単位年休1時間分の賃金額=15,000円÷8時間=1,875円となります。
このケースで、時間単位年休を3時間取得した場合には、1,875円×3時間=5,625円が、時間単位年休に対して支払う賃金となります。
なお、①~③のどの方法で有給休暇時の賃金を算出するかどうかは、就業規則に定める必要があります。
考え方や計算方法は1日単位の年次有給休暇と同様です。詳しくは「有給休暇の金額はいくら?給与計算の方法と具体例・注意点」の記事もぜひ参考にしてください。
まとめ|時間単位年休と勤怠管理システムを一緒に導入しよう
時間単位年休(時間単位の有給休暇)は、制度・運用ルールが少し複雑で間違えやすいこと、そして有給取得時間や日数の把握・管理が難しいことを除けば、大変使い勝手の良い仕組みです。
従業員が気軽に年次有給休暇を取りやすくなる制度なので、働き方改革を進めるためにも導入することをおすすめします。
時間単位年休の残り時間・残り日数の把握や集計、申請業務をスムーズに行いたい場合には、時間単位年休に対応した勤怠管理システムの導入を同時に行うことがおすすめです。
チームスピリットの勤怠管理機能は時間単位年休にも対応しています。最近では、働き方改革を推進するために勤怠管理システムを見直し、チームスピリットを導入される企業が増えており、そのような企業ではチームスピリット導入のタイミングで時間単位年休を導入されるケースが増えています。
導入された企業からは、以下のような声をいただきました。
時間単位の年次有給休暇制度を導入できたのはチームスピリットのおかげですね。以前のようなExcelの管理ではとても対応しきれないので、導入は難しかったと思います。弊社はまだ時間単位年休義務化の対象ではありませんが、子育てや介護などさまざまな事情を抱える社員が便利に活用できるのではないかと思い、前倒しで導入しました。想像以上に利用率が高かったので早くスタートできてよかったなと思っています。
なお、時間単位年休の導入にあたっては、他の年次有給休暇との兼ね合いや、運用方法など事前に十分な検討をしておくことが重要となります。チームスピリットでは専門のコンサルティングチームが事前に要望や要件を伺って、お客様にあったシステムの導入及び運用の支援をさせていただいています。
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