1. Home
  2. チムスピコラム
  3. 業務改善
  4. テレワークの勤怠管理方法|よくある課題と解決策、事例を解説
業務改善

テレワークの勤怠管理方法|よくある課題と解決策、事例を解説

著者:チームスピリット編集部

「テレワーク(リモートワーク)を導入したいが、勤怠管理に不安を感じてなかなか進められない」「テレワークを始めたものの、勤怠管理がうまくいかない」という企業は多いのではないでしょうか。

例えば、次のような疑問や課題を抱えている担当者も多いでしょう。

  • タイムカードなど、今までと同様の方法で勤怠管理ができるのか
  • 遠隔での勤怠管理は難しいのではないか
  • 不正打刻など、労働時間に関する法令違反のリスクが高くなるのではないか
  • 実際の働きぶりを見れないため、勤怠状況が正しいか確認できず不安

厚生労働省の調査によると、多くのテレワーク実施企業は「上長などにメールや電話で勤怠報告をする」または「自己申告した勤怠をエクセル(Excel)などで管理する」という方法で勤怠管理を行っています。

しかしながら、これらの方法は「不正打刻を防げない」「管理者の負担が重すぎる」という問題点があります。

この記事では、テレワークの勤怠管理の課題や失敗を解決するにはどうしたら良いのか、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください

【2023年最新版】
勤怠管理システムのリプレイス意識調査

  • 打刻漏れをする社員が多く正確な勤怠実績がとれず人事の負担が大きくなっている
  • 既存システムでは機能や柔軟性が不足しており、その課題を解決したい
  • 就業規則の変更や法改正に都度対応できるシステムを利用したい

あなたが今お抱えの勤怠管理システムに関するお悩みは、きっと他の誰かが解決済みの課題かもしれません。 100社以上の担当者様を対象にリアルな現場の課題と対策方法を調査しまとめています。

ぜひ成功企業の事例を参考に貴社の勤怠管理の見直しにお役立ていただけますと幸いです。

「勤怠管理システムのリプレイスの意識調査」を
無料ダウンロードする

テレワークの勤怠管理に苦戦する企業が多い

令和3年3月に厚生労働省が公開した「テレワークの労務管理等に関する実態調査【概要版】」の結果を見ると、既にテレワークを導入している企業が感じた課題として、31.8%の企業が「勤怠管理が難しい」と回答しています。

image4のコピー2.png

※引用(PDF):「テレワークの労務管理等に関する実態調査【概要版】」|厚生労働省

また、テレワーク未実施企業に「テレワークを導入・実施していない理由」を聞いたところ、14.6%の企業が「テレワークを行う従業員の勤怠管理や在席・勤務状況の確認が難しいから」と回答しています。

それではなぜ、テレワークの勤務形態では勤怠管理が難しいのでしょうか。

テレワークの勤怠管理で考えなければいけないことや課題

テレワークでの勤怠管理について、考えなければならないポイントが大きく分けて次の3つです。

テレワーク勤怠管理の課題

  1. 従来行っていた打刻方法が利用できないケースが多い
  2. 勤務状況を正確に確認・記録しづらい
  3. 不正申告があっても気づきにくい

課題1.従来行っていた打刻方法が利用できないケースが多い

これまでタイムカードなどの方法で勤怠管理を行っていた企業は、まず打刻方法をどのようにするのかを考えなければなりません。

テレワークでは従業員がオフィスに訪れないため、タイムカードやICカード・生態認証など、機器に対して直接働きかける打刻方法は行えず、遠隔でも出退勤を正確に記録できる方法にシフトすることが求められます。

詳しくは後述しますが、他の企業では以下のような方法で打刻を行っています。

  • メール
  • 電話
  • 電子ファイル(エクセルなど)
  • 勤怠管理システム

そのため、今までとは異なる打刻方法を導入しなければならない企業も多く、どの方法を採用するのか、導入フローや費用はどうするのかなどを考えなければいけません。

課題2.勤務状況を正確に確認・記録しづらい

テレワークを行う従業員は同じ空間にいないため、在席しているのか離席しているのかを目視で確認できません。

通常勤務の場合は在席状況を目で見て確認できるため、従業員が席で仕事をしているのか、離席しているのか、会議にしているのかなど、何をしているかが一目瞭然です。

しかしテレワーク勤務の場合は、例えば9時出勤・18時退勤の申請が従業員から来ても「本当にその時間に勤務していたのか」を確認することが難しいのです。

またテレワーク中は、自宅にいる子供への対応や宅配便の受け取りなど、中抜けが細かく発生します。その際に、その中抜けを勤務時間とみなすのかどうかのルールを決めなければいけませんし、もし中抜けを記録する場合は、従業員の生産性を下げないように効率的に記録・集計できる仕組みを作らなければいけません。

課題3.不正申告への対処が難しい

勤務状況を確認しづらいことと関連して、テレワークの勤怠管理では、不正申告があったとしてもそれに気づいて対応することが難しいという課題があります。

例えば従業員から9時に業務開始メール、17時に業務終了メールが届いたとしても、その間仕事をしていないケースが考えられます。

実際に、「テレワーク中にサボったことがあるか」というアンケートに対して、874人中、65%以上の方が「ある」と回答した調査もあります。

※参考:テレワーク中「さぼった経験ある」65%|ITmedia ビジネスオンライン

管理者からすれば「監視の目がないことで従業員がサボっていないか」と考えがちになりますし、一方で従業員からも「ちゃんと仕事しているのにサボってると思われていないか不安」という声が聞かれます。

こうした双方の不安を解消するためには、自己申告に頼る勤怠管理方法を見直して、「客観的な記録」が可能な勤怠管理方法に切り替えていくことが大切です。

テレワークの勤怠管理でよく用いられている方法

ここからは、厚生労働省が公表しているデータをもとに、テレワーク導入企業が実際にどんな勤怠管理方法を行っているのか見ていきましょう。

以下は、テレワーク(在宅勤務)における日々の勤怠管理の方法を複数回答で質問した時の回答結果です。

image3のコピー2.png

引用(PDF):「令和2年度テレワークの労務管理に関する 総合的実態調査研究事業 報告書 」|厚生労働省

調査結果を見ると、以下の8つの方法が多く行われていることが分かります。

  1. 上長等に対してメールによる報告を行う
  2. 電子ファイルの出勤簿等に自己申告で記入する
  3. Web状でタイムスタンプを押す・Web打刻する
  4. 上長等に対して電話による報告を行う
  5. パソコン等のログイン・ログアウト時間を取得する
  6. 紙の出勤簿に押印または記入する
  7. タイムカード・ICカード等で打刻する
  8. 上長の現場での視認により確認

最も多い管理方法が「上長等に対してメールによる報告を行う」、次いで2番目が「電子ファイルの出勤簿等に自己申告で記入する」という方法です。

しかしながら、これら2つの勤怠管理方法では適切な勤怠管理が難しいという問題点があります。それについて詳しく解説していきます。

方法1.上長等に対してメールによる報告を行う

テレワーク勤務で最も多く取り入れられている勤怠管理方法が、「上長等に対してメールによる報告を行う」という方法です。

同様に、上長などに対して電話で勤怠連絡を入れる方法も多く採用されています。

勤怠報告を受けた上司は、勤怠内容を確認して勤怠管理簿などに転記する必要があります。

管理方法としては簡単に思えますが、従業員・管理者それぞれにとって以下のような課題があります。

従業員にとっての課題

管理者にとっての課題

  • 分かりやすく、マナーを守ったメールを作成する手間がかかる
  • 電話の場合、報告待ちが発生する可能性がある
  • 報告忘れのリスクがある
  • 電話の場合、報告した内容が残らない
  • 従業員の人数が多いと、1日2回の勤怠報告を管理するのが非常に大変になる
  • 報告漏れのある社員への対応に手間がかかる
  • 報告漏れを見落とすリスクがある
  • 勤怠報告を受けたときの対応や報告漏れがあったときの対応など、新たにルールや業務フローを設ける必要がある
  • 電話の場合「言った言わない問題」に発展しやすい


コストをかけずに運用を開始できるので手軽ですが、管理に手間がかかることが難点です。メールや電話でテレワークの勤怠管理を行う場合は、報告漏れや報告の見落としが起こらないような業務フローを事前にしっかりと考えておきましょう。また管理者の業務負荷が大幅に増えることが予想されるため、業務配分の見直しなども必要になる可能性があります。

方法2.電子ファイルの出勤簿等に自己申告で記入する

厚生労働省の調査によると、テレワーク時の勤怠管理方法として2番目に多く採用されているのが「電子ファイルの出勤簿等に自己申告で記入する」という方法です。

電子ファイルの出勤簿というのはつまり、エクセルなどの表計算ソフトなどのことです。エクセルなどで出勤簿を作成し、従業員が自己申告で勤怠時刻を入力して、勤怠を管理します。

※参考:勤怠管理表をエクセルで作成!関数入力済みのテンプレートを紹介

従業員は始業・終業の時刻を入力するだけ、管理者はファイルを閲覧して確認するだけなので手間はかかりませんが、以下のような課題があります。

  • あくまでも自己申告なので、不正申告のリスクがある
  • 終業の打刻後に電話やメールなどの対応をした場合、本来なら労働時間として報告が必要となるものの、報告漏れが起こる可能性が高い
  • 手動で時刻を入力するので、入力ミスが起こりやすい
  • 集計時のミスが起こりやすいため、給与計算業務が煩雑になりやすい
  • 法改正への対応が難しい

またそもそも、国が定めた「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」ではタイムカードなどの客観的な記録を基礎として勤怠管理することを原則としており、自己申告で労働時間を把握することは推奨していません。やむを得ない事情がある場合やテレワークの場合は自己申告でもOKとされていますが、実施するには以下の措置をとることが求められています。

  • 労働者に対して、労働時間の実態を記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと
  • 労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用等について十分な説明を行うこと
  • PCの使用状況など客観的な情報を確認し、自己申告との間に著しい乖離があった場合には、所要の労働時間の補正をすること

※参考:テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン|厚生労働省

エクセルなどでテレワークの勤怠管理を実施する場合は、法令違反とならないような運用を行い、定期的に労働の実態を調査する必要があります。

勤怠管理に関して押さえておくべき法律や、違反してしまった場合の罰則、誤った対応をしてしまいがちな項目については、「【チェックリスト】勤怠管理で守るべき法律|労働基準法改正にも対応」の記事をご覧ください。

テレワーク時の勤怠管理でよくある失敗例・課題

多くのテレワーク実施企業が行っている「メールや電話での報告」「エクセルなどで自己申告する」という勤怠管理方法には多くの問題点があります。

ここでは、テレワークを始めたにもかかわらず、勤怠管理に失敗して導入がうまくいかなかった事例を紹介します。

  • テレワーク中の中抜けに関する勤怠管理を適切に行えていなかったため、休憩と一時離席の線引きがうまくできず、従業員の間で不公平感が生まれてしまった
  • 自宅で気軽にPCを触れてしまうことから時間外労働が発生し、また会社側がそのことに気づかなかったことで、長時間労働が発生してしまった
  • 勤怠関係の申請・承認がアナログだったため承認印をもらいに出社する必要があり、結局テレワークが活用されなかった
  • 勤怠状況管理のために電話での複数回の報告を課したことで、ハラスメントを指摘されてしまった(リモートハラスメント)

こういった失敗は、主に以下のような要因により発生します。

  • 労働時間の管理を正確に行えていないこと
  • テレワーク中の社員の業務状況がわからないこと
  • 紙や印鑑など、アナログのままの申請業務が多く残っていること

これらの事態を避けるためには、リアルタイムで適切に労働時間を管理できる「勤怠管理システム」を導入することが一番おすすめの解決策となります。

テレワークの勤怠管理の課題は「勤怠管理システム」で解決できる

勤怠管理システムとは、紙やエクセルではなく、ネットワーク上で出退勤を記録するシステムのことです。従業員が出勤時や退勤時に打刻するだけで勤怠状況が自動で記録・集計され、リアルタイムで確認できます。

勤怠管理業務全般を効率的に行うことに特化している勤怠管理システムを使えばため、これまで述べてきたさまざまな「テレワーク時の勤怠管理の課題」を解決することができます。

ここからは、なぜ勤怠管理システムがベストなのかを示すため、簡単に「勤怠管理システムとは何か」について解説していきます。

勤怠管理業務に特化している勤怠管理システムは、シンプルな操作で毎日の打刻や申請・承認を行えるようになっています。

  1. 従業員は毎日始業・終業時に、自宅からPCやスマホでシステムにログインして打刻ボタンを押す
  2. 管理者は定期的にシステムの勤怠表画面をチェックして、エラーやアラートがあれば該当の従業員に確認を行う(計算や集計は自動で行われる)

例えばチャットツールのSlackを利用している企業であれば、Slackを利用したWeb打刻機能があるシステムだとテレワーク中の勤怠管理が便利になります。

▼Slackを利用したWeb打刻のイメージ

1.特定のメッセージを入力する

image3のコピー.png

2.送信すると打刻が完了する

image2.png

製品によっては、打刻の際にGPS(位置情報)を取得することも可能です。テレワーク中や営業に出ている従業員が不正せずに打刻をしているのかを確認したい場合は、GPSを取得できる機能があると便利でしょう。

▼スマートフォンからの打刻でGPSを取得する画像の一例

kintai-location.png

また勤怠管理システムでは、上記のような打刻(始業や終業の記録・管理)だけでなく、有給休暇の管理、各種勤怠の申請・承認などもシステム上で行うことができます。

勤怠管理システムの基本的な機能は以下のとおりです。

基本機能

内容・できること

Web打刻

PCやスマホからシステムにログインし、ボタンを押すことで簡単に打刻ができる機能

各種アラート

打刻漏れ、労働時間の超過などを自動で検知し、対象者や管理者に通知する機能

勤怠表の自動集計

各社員が打刻した勤怠のデータを自動で集計する機能

勤怠表の外部出力・連携

集計した勤怠データを出力し、給与計算システムなどと連携できる機能

有給休暇申請・承認

有給休暇の申請や承認を、システム上で完結できる機能

勤怠申請・承認

直行直帰、シフト勤務などの申請が必要な勤怠を、申請から承認までシステム上で完結できる機能

※システムによっては、上記に加えて経費精算や稟議申請などもオンラインで完結できるようになるものもあります。

テレワークで勤怠管理システムを使うメリット

勤怠管理システムの代表的なメリットは以下の通りです。

  • 打刻は所定ボタンの「クリック」やICカードの「タッチ」などで登録できるので、時刻を手で入力する必要がなく、打刻ミスや不正打刻が発生しにくい
  • 打刻漏れや申請承認漏れ、残業超過などを検知してアラートを出すことができる
  • 転記や集計が自動で行われるため、給与計算のミスが起こらない
  • 打刻情報がリアルタイムで集計されるため、最新の勤怠情報を常に把握できる
  • 法令に沿ったアップデートが自動で行われるので、労働時間管理に関する法令違反のリスクを抑えられる

勤怠管理システムの導入を支援する「働き方改革推進支援助成金(労働時間適正管理推進コース)」という助成制度も存在し、国もシステムによる勤怠管理の効率化を推進しているという背景もあります。

上記のメリットを踏まえ、テレワークにおける代表的な勤怠管理方法のおすすめ度を表で比較しました。業務効率やコスト、不正打刻のリスクなどの観点で比較すると以下のようになります。

テレワークの勤怠管理方法

業務効率

コスト

不正打刻
入力漏れの予防

おすすめ度

1.電話・メール報告

無料


少人数の企業であれば運用も可能だが、業務効率が悪くおすすめ度は低い。

2.エクセル等の自己申告

無料


法令遵守のために客観的な労働時間の管理が別途必要となり、おすすめ度は低い。

3.勤怠管理システムのWeb打刻

月額200円~800円(1ユーザーあたり)


法令遵守と業務効率化を両立した運用が可能であり、最もおすすめ。

上記の通り、総合的に見てテレワークの勤怠管理方法として最もおすすめなのは「勤怠管理システムを利用する」方法となります。

テレワークで勤怠管理システムを導入した企業の事例

実際にテレワーク中の勤怠管理にシステムを活用し、課題の解決につながった企業の事例を紹介します。

▼事例1:テレワーク中の中抜けや突発的な休暇の管理が簡単に

在宅勤務やサテライト勤務など、多様な働き方を採用している株式会社ISパートナーズには育児中の女性社員が多く、子どもの発熱による突発的な休みや中抜けの管理が必要でした。

コアタイムを設けない「スーパーフレックス」という勤務体系を採用している同社は、多様な勤務体系に対応した勤怠管理システムを導入することで、複雑な勤怠管理を柔軟かつ正確に行うことができるようになりました。例えば、退社後夜に家事を片付けてから仕事を再開する、といった勤務のスタイルでもリアルタイムで勤怠情報を共有できるようになり、テレワーク中の労務管理が容易になったと言います。

  • 勤怠管理システムを導入することで、テレワークや育児中の社員の新しい働き方にチャレンジできた
  • 中抜けや突発的な休暇も柔軟かつ効率的に管理できるようになった
  • 出退勤の状況が社内共有SNSで分かるので、距離が離れているメンバーの動きを把握できるのが便利

参考:株式会社ISパートナーズの導入事例|チームスピリット

▼事例2:勤怠管理システム導入により、テレワーク社員の勤怠管理・経費精算・稟議回覧が効率化

かつて勤怠や経費業務の大半を手作業で行なっていたテックスエンジソリューションズ株式会社は、残業見込み時間の計算・報告に大変な手間がかかっていました。その他、約半数の社員が客先常駐でプロジェクトに携わっているにもかかわらず、当時利用していた勤怠管理システムや経費管理システムでは、外部端末からアクセスすることができないという問題もありました。それにより、多くの社員が就業後、自宅に帰ってから自社で支給されたパソコンを起動して勤怠や経費を入力していたそうです。

そこで法改正や電子稟議機能に対応している勤怠管理システムを導入することに。

導入によって、労働時間・休暇取得状況の「見える化」が手軽に行えるようになり、社員の負担は激減します。加えて、スマートフォンでも出退勤の打刻や経費精算ができるようになったため、以前のように帰宅してからわざわざパソコンを開いて勤怠や経費を記録する必要がなくなりました。また、電子稟議機能を活用することで、いつでもどこからでもペーパーレスで申請・承認作業ができるようになり、テレワークへの移行もスムーズに行えました。出産・育児・介護関連の申請書、印鑑の捺印申請まで、人事・総務関連の申請業務の大部分がオンライン化したことで、テレワーク移行に際して生じる各種問題を解決できたのです。

  • 勤怠管理システムを導入したことで、テレワークや直行直帰の社員も含めた勤怠管理・経費精算・稟議回覧が効率化でき、月締め作業を大幅に圧縮できた
  • 残業時間の見込みが自動計算され、先手の労務管理ができるようになった

参考:テックスエンジソリューションズ株式会社の導入事例|チームスピリット

勤怠管理システムの導入には「メールや電話での報告」や「エクセルなどの出勤簿に自己申告」よりも、時間とコストがかかります。しかし実際に導入している企業の声からもわかる通り、勤怠管理の業務効率を上げたり、テレワークを定着させたりするためには非常に効果的な方法だと言えるでしょう。

勤怠管理システムの導入にかかる費用

テレワークに勤怠管理システムを導入するにあたり、必要となるコストを把握しておきましょう。

勤怠管理システムには大きく分けて「クラウド(SaaS)型」と「オンプレミス型」があり、それぞれの初期費用と月額費用(ランニングコスト)は以下のとおりです。

▼クラウド(SaaS)とオンプレミスの比較

クラウド(SaaS)

オンプレミス

特徴

システムを自社で構築・保有する必要がなく、システム保守も基本的には不要

自社でシステムを保有(もしくは外部に委託)し、ネットワークも社内のものを利用する

初期費用

0円~20万円程度

(サービス導入時に支払う初期費用)

数百万円〜
(開発費用)

月額費用
(ランニングコスト)

1名あたり100円~800円程度

(サービスを利用する従業員数だけ、サービス使用料がかかる)

状況により異なる

(システムの保守を行う人件費や、外部へ委託する費用)

クラウド(SaaS)型の勤怠管理システムは月額費用が1名あたり100円~800円程度と、比較的安く導入できるのが魅力です。

初期費用がかからない勤怠管理システムもありますが、自社の就業規則に合わせた運用がしたい場合にはカスタマイズ対応になることも多く、インターネット上で公開されている料金だけで製品を選ぶことはおすすめできません。

安い製品を選んでも、結局はオプションやカスタマイズの追加料金がかかるケースや、就業規則に合う設定ができず使い勝手が悪くなってしまうケースがあるからです。

月額費用の安さだけで製品を選ぶのではなく、「そのシステムで本当に自社の課題を解決できるのか」を、提供会社に相談してから選ぶことが重要です。

勤怠管理システムの費用についてさらに詳しく知りたい方は、「勤怠管理システムの費用相場・料金体系|種類別に導入コストを比較」の記事をご参照ください。

勤怠管理システムを導入してテレワークを始める手順

テレワークのために勤怠管理システムを導入する場合、以下の手順で進めていきましょう。

手順

やること

期間の目安

1

テレワークの就業ルールの設定と課題の洗い出し

・就業規則の中にテレワーク勤務の項目を組み込む
・現状の勤怠管理の課題を洗い出す
・課題解決のために必要な勤怠管理システムの機能をピックアップする
・勤怠管理システムを導入することで達成したい目標を明確にする

2週間~

2

テレワークの勤怠管理に強い製品の選定

自社の規模や就業規則の内容に合うシステムを選定する

1週間~

3

製品ベンダーへの相談

・テレワークのルールや就業規則をもとに、システムで対応できるか確認する
・洗い出した課題をシステムで解決できるか相談する
・費用の詳細を確認する

2週間~

4

製品デモの運用と設定の調整

・自社のルールに沿って運用できるか、製品を使って検証する
・いくつかの部署の従業員にも実際にシステムを使ってもらい、使用感を確認する

1カ月~

5

製品を社内に導入する

・製品を決定し、勤怠管理システムを社内に導入する
・人事総務部などの主要部署で、テスト運用を始める

1週間~

6

従業員への周知・研修

・テレワークの就業ルールと労働時間の管理方法について、従業員に説明する
・勤怠管理システムの操作方法について、勉強会を行う

1週間~

7

システムの本稼働・テレワークの導入

勤怠管理システムを使った勤怠管理と、テレワークをスタートさせる

「テレワークの就業ルールの設定と課題の洗い出し」の段階で、いかに具体的な課題と目標を設定できるかが、その後の運用に影響します。ベンダーとは細かな部分まで話し合い、システムの運用に関する疑問や不透明な部分が残らないようにしましょう。

テレワークに最適な勤怠管理システムを選ぶポイント

テレワークの開始に伴って勤怠管理システムを選ぶ際は、以下のポイントを比較検討するのがおすすめです。

勤怠管理システムのチェックポイント

  • テレワーク中の中抜けに柔軟に対応できるか
  • フレックス制や時短勤務など、変則的な労働時間を管理できるか
  • テレワークに向いている打刻機能(PCオンオフ連動打刻、GPS打刻)が使えるか
  • 1日に複数回の打刻が可能か
  • それぞれの従業員がどのような働き方をしているのかを可視化できるか
  • 導入後にテレワークのルールが変更された際に、カスタマイズ等でシステム対応ができるか
  • 現在使用しているビジネスツールやシステムと柔軟に連携できるか
  • 多くの従業員がテレワークを行うのに十分なセキュリティが担保されているか

ここで注意したいのが、製品説明に「テレワークに対応」という文言があったとしても、上記すべてに対応しているとは限らない点です。テレワークのルールは企業によって異なるため、細かなルールの違いに柔軟に対応できる製品を選べるかがポイントになります。

とはいえ上記のような細かな設定ができるかどうかは、製品の詳細ページなどを見てもわからないケースがほとんどです。そのため気になる製品があれば、まずは提供会社に相談することをおすすめします。

次からは、今まで解説してきた「テレワークに対応した勤怠管理システム」の条件を満たすおすすめの製品を紹介していきます。

中~大規模企業におすすめ:チムスピ勤怠

teamspirit-2.png
引用:チームスピリット公式サイト

チムスピ勤怠は、テレワークやみなし労働時間制、変形労働時間制などといった複雑な勤務形態にも対応できる設定機能を持つ勤怠管理システムです。Salesforce(セールスフォース)プラットフォームを使用した高度なセキュリティ性能を持ち、情報漏洩が課題となる在宅勤務においても安心・安全に運用することが可能です。

勤怠管理をおこなえる「チムスピ勤怠」の他に、「チムスピ工数」「チムスピ経費」というクラウドサービスもシリーズ展開しており、追加料金なしで「工数管理」「経費精算」もまとめてシームレスにバックオフィス業務を効率化したい企業におすすめです。いずれもリモートワークの業務効率を上げるために有効な機能です。

カスタマイズの幅が広いことも特徴で、1社1社の就業規則に合わせた勤怠ルールの設定が可能です。例えば、一部のシステムでは対応できない次のようなケースも、チムスピ勤怠であれば柔軟に対応できます。

  • 部署ごとに異なるコアタイムを設定する
  • フレックスタイム制の所定労働時間に対する過不足時間を、リアルタイムに把握する
  • シフト勤務や時短勤務といった、変則的な労働時間を管理する
  • 法改正や就業規則の変更に合わせて、運用方法を変更する

従業員数50名以上でテレワークを始めたいと考えている企業に、幅広くおすすめしたい勤怠管理システムです。

主な機能

多様な働き方に合わせた勤怠管理
テレワークを含めた勤務の「見える化」
電子稟議・ワークフロー
社内SNS
ダッシュボード機能
レポート機能

※工数管理や経費精算の機能を組み合わせることも可能です

打刻方法


◎はテレワークにおすすめの打刻方法

◎PCブラウザ
◎スマートフォン・タブレットアプリ
◎PCオンオフ連携
◎GPS打刻
◎NFCカードリーダー
◎Slack連携
タイムレコーダー
Mifare(マイフェア)カード・シール
生体認証
セキュリティドア他

初期費用

150,000円

月額費用

チムスピ勤怠:400円/1人
チムスピ工数:300円/1人
チムスピ経費:300円/1人
(いずれも50IDから利用可能)

※ニーズに合わせたパッケージ価格もあります。

テレワークに関する特徴

  • テレワーク中の複数回の中抜けに対応できる
  • ダッシュボード機能を使うことで、従業員の業務ステータスをリアルタイムで「見える化」できる
  • 従業員が打刻した位置情報を記録する「GPS打刻」が使える
  • テレワークに関する申請・承認をシステム上で行える

自社に最適な勤怠管理システムをお探しの方へ

  • 既存システムでは機能や柔軟性が不足しており、その課題を解決したい
  • 就業規則の変更や法改正に都度対応できるシステムを利用したい
  • 自社に合わせたシステム運用を提案・サポートしてもらいたい

このような企業には、100以上の勤務パターンへの対応実績があり、会社独自の細かいルールや法改正にも柔軟に対応できる勤怠管理システム「チムスピ勤怠」が最適かもしれません。

解決できる課題や運用イメージなどを具体的にまとめた「チームスピリット サービスご紹介資料」をご用意しました。勤怠管理システムの導入をご検討中の方は、まずは一度ご覧ください。

「チームスピリットのサービス紹介資料」をダウンロードする

小規模企業におすすめ:KING OF TIME

KING OF TIME(キングオブタイム)公式サイト
引用:KING OF TIME(キングオブタイム)公式サイト

従業員数50名未満の企業におすすめしたい、シンプル型の勤怠管理システムが「KING OF TIME」です。

打刻方法の種類が豊富な点が特徴で、幅広い勤務形態に合わせた打刻方法を選ぶことができます。シンプルな料金体系や、初期費用0円という導入のしやすさも魅力のひとつです。

主な機能

勤怠管理
ワークフロー
工数管理
交通費精算
勤務状況確認
データ分析
人事労務
テレワーク対応

打刻方法


◎はテレワークにおすすめの打刻方法

◎PCブラウザ
◎スマートフォン・タブレットアプリ
◎ICカード
◎LINE(ライン)チャット連携
◎Windows(ウィンドウズ)ログオン・ログオフ
◎GPS連携
生体認証
温度検知他

初期費用

0円

月額費用

1人あたり300円

※最新の情報は提供会社へお問い合わせください。

テレワークに関する特徴

  • PCやスマホからの打刻だけでなく、Windowsログオン・ログオフ打刻、GPS連携打刻など、テレワークに合った打刻方法が選べる
  • 勤務状況確認機能により、リアルタイムで従業員の勤務状況がわかる

その他の勤怠管理システム

その他にも、さまざまな勤怠管理システムがあります。

▼中~大規模、またはリプレースを検討している企業におすすめのシステム

チムスピ勤怠

キンタイミライ(旧バイバイタイムカード)

CC-BizMate

TimePro-VG

freee人事労務

初期費用

150,000円

要見積もり

250,000円〜

要見積もり

0円

月額料金

400円~/人

要見積もり

10,000円(50人)~

要見積もり

月額800円〜/人

こんな企業におすすめ

テレワークやフレックスタイム制など、多様な就業規則を採用している企業

ホテル・旅館業、運輸・倉庫業など

カスタマイズしつつ月額料金は抑えたい企業

自社に合わせて勤怠管理システムを設計・構築したい企業

労務手続きを一元管理したい1,000名規模までの企業

※最新の情報は提供会社へお問い合わせください。

▼小規模、または初めての導入を検討している企業におすすめのシステム

KING OF TIME

ハーモス勤怠

ジョブカン勤怠管理

ジンジャー勤怠

CLOUZA

初期費用

0円

0円

0円

要見積もり

0円

月額料金

300円~/人

100円〜/人
(30人までは無料)

200円〜/人

300円〜/人

200円〜/人

こんな企業におすすめ

打刻方法とAPI連携を重視したい企業

コストを抑えたい小規模の企業

コストを抑えたい1万名以下の企業

ジンジャーシリーズで一元管理したい企業

とにかくシンプルなシステムが良い企業

※最新の情報は提供会社へお問い合わせください。

詳細を確認したい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

※参考:勤怠管理システム10選|比較表付きでおすすめ製品を紹介

使用中のツールにアドオンとして組み込めるテレワーク勤怠管理ツールもある

新たに勤怠管理システムを導入するのが難しい場合、現在使用中のビジネスツールにテレワークの勤怠管理に適した機能を「アドオン」として組み込む方法もあります。

例えばMicrosoft Teams利用者であれば、「IBLook for Microsoft Teams」というアドオンを追加することで、Teams上で出退勤時間やリアルタイムの在席ステータスを確認することができるようになります。

image8 (4) (1).png

引用:IBLook for Microsoft Teams(出退勤・在席管理)

組織全体・チーム単位それぞれで、社内メンバーの勤務場所や勤務状況の確認・共有ができ、在宅勤務にも対応している点が特長です。ステータスは、「在宅出社」「出社」「退社」「離席」「休み」など、企業の好みに合わせてカスタマイズできます。シンプルな機能でテレワーク中の在席状況の把握・出退勤時間の管理を行いたいと考えている場合は、このようなアドオン機能を活用するのもおすすめです。

▼「IBLook for Microsoft Teams」の機能や料金

主な機能

勤怠管理(出退勤、在席・外出情報確認)
行先掲示板(ホワイトボード)
伝言メモ

打刻方法


◎はテレワークにおすすめの打刻方法

◎PCブラウザ
◎スマートフォン・タブレットアプリ

初期費用

0円

月額費用

100名まで:¥5,000 (固定)
101名~999名:¥50 / ユーザー
1,000名~2,999名:¥40 / ユーザー
3,000名~4,999名:¥35 / ユーザー
5,000名~9,999名:¥30 / ユーザー
10,000名以上:¥25 / ユーザー

※利用には別途Microsoft Teams (Microsoft 365)のライセンス契約が必要です。

※最新の情報は提供会社へお問い合わせください。

まとめ|テレワークの勤怠管理には勤怠管理システムがおすすめ

テレワークを導入している企業の多くは、主に以下のような方法で勤怠管理を行っています。

  1. メールや電話
  2. エクセルなどの出勤簿
  3. 勤怠管理システム(Web打刻)

これらにはそれぞれメリット・デメリットがありますが、「法令遵守」と「業務効率化」を重視するのであれば、勤怠管理システムを利用することが最もおすすめです。

なぜなら、勤怠管理システムには以下のような特徴があるからです。

  • 打刻ミスや不正打刻が発生しづらい
  • 打刻漏れや申請承認漏れ、残業超過などを検知してアラートを出すことができる
  • 転記や集計が自動で行われるため、給与計算ミスが起こらない
  • 打刻情報がリアルタイムで集計されるため、勤怠の最新情報を常に把握できる

テレワークという働き方にマッチした勤怠管理システムを導入したいなら、ぜひ勤怠管理ツール「チムスピ勤怠」を検討してみてください。

【2023年最新版】
勤怠管理システムのリプレイス意識調査

  • 打刻漏れをする社員が多く正確な勤怠実績がとれず人事の負担が大きくなっている
  • 既存システムでは機能や柔軟性が不足しており、その課題を解決したい
  • 就業規則の変更や法改正に都度対応できるシステムを利用したい

あなたが今お抱えの勤怠管理システムに関するお悩みは、きっと他の誰かが解決済みの課題かもしれません。 100社以上の担当者様を対象にリアルな現場の課題と対策方法を調査しまとめています。

ぜひ成功企業の事例を参考に貴社の勤怠管理の見直しにお役立ていただけますと幸いです。

「勤怠管理システムのリプレイスの意識調査」を
無料ダウンロードする