株式会社イー・ステート・オンライン
「TMK(たまにはみんな早く帰ろう)!」トップの号令で現場の"当たり前"が変わった
事例ポイント
課題
- 勤怠管理や経費精算のペーパーレス化をしたかった
- 工数管理を行い、プロジェクトごとの工数を把握したかった
決め手
- Salesforceと連携でき、勤怠や工数管理、経費精算が1システムで完結する
- 画面が分かりやすく、工数も直感的に入力しやすい
効果
- 勤怠や工数管理のほか、電子稟議機能も活用し、ペーパーレス化が進んだ
- 勤怠と工数が連動しており、Salesforce基点の工数管理を行う上で利便性が高い
- 従業員の入力負荷は最小限に、案件ごとの稼働工数等を把握できるようになった
事例概要
機能 | 勤怠管理, 工数管理, 電子稟議, レポート・ダッシュボード |
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業種 | システム開発, 広告・メディア, 人材・派遣 |
従業員数 | 100~499人 |
特徴 | 自動化による作業時間の削減, ペーパーレス・脱エクセル, データの見える化・分析, プロジェクト原価や利益の見える化, ERPや他システムとの連携 |
イー・ステート・オンラインが実践する働き方改革
長時間労働の是正や時間外労働の削減など「働き方改革」を実践しようとする企業は増え続けている。だが、一方で、すべての企業が成果を挙げているわけではないことも明らかになってきた。
そんな中、株式会社イー・ステート・オンラインでは、着実に制度が浸透し、それが当たり前のように根付いているという。その背景には、トップ主導で取り組みを進めていることや、制度を支える人とシステムの充実、時流の後押しが挙げられる。
では、具体的にどのような取り組みがなされているのか? そして、その中で「TeamSpirit」はどう活用されているのか? 同社の経営管理部 人事・総務グループ小林氏に話を聞いた。
不動産業と広告業、制作業、人材派遣業が組み合わさったユニークな企業
2001年ごろ、親会社である東京建物株式会社の中のひとつのプロジェクトとして生まれ、分社化した株式会社イー・ステート・オンライン。不動産業界において、インターネットを活用したプロモーションに関わる広告出稿からwebサイト制作などを一手に担う会社だ。また、新築マンションのモデルルームや現地での見学に合わせてアテンドする人材の派遣も行なっているという。
不動産業界に特化した、広告業、web制作、人材派遣業を業務領域とする、大変ユニークな企業だが、同時にそれぞれの業界特有の働き方の課題もあったそうだ。
小林氏は「広告業界や制作業界自体がどうしても長時間労働になりがちです。また、販売現場で応対させていただく方の中には、お仕事されているお客様もいらっしゃるので、仕事が終わったあとにお電話をすることもあります。また、モデルルームには土日を含めて多くの方がいらっしゃるので、どうしても働く時間が不規則になりがちです」と、説明する。
当然、顧客あってのサービス業であれば、クライアントやその先の消費者のニーズに合わせて、臨機応変かつ柔軟に対応しなければならない場面に数多く出くわす。また、決まったやり方にとらわれない応対が顧客満足度を上げるとあっては、"属人化"した業務もやむなしという部分もあるだろう。そうなると、効率化は難しく、業務負荷の偏りや労働時間が長くなりやすいものだ。おそらく、同じ課題に悩まされている企業は少なくないことだろう。同社でもそれが「長年の課題」とされてきたというわけだ。
「TMKしよう!」イー・ステート・オンラインが実践する働き方改革
前述の課題に改めて向き合うきっかけとなったのが、昨今の「働き方改革」の議論の高まりだ。これに加え、時代の先を読み他に先んじてそれを実践する同社ならではのチャレンジ精神や、親会社が一部上場企業であることも背中を押す要素となった。
まず、取り組まれたのは「早帰り」や「ノー残業デー」、「フレックスタイム制の実施」だ。だが、これらの制度は以前からもある。正直なところ、目新しさには欠けると言えよう。これを働くひとたちに「新しい制度」として認知させる言葉として同社の執行役員が生んだキーワードが「TMK」だ。
小林氏は、「TMKは、たまにはみんなで帰ろう(Tamani-ha Minna-de Kaero)の頭文字をとった言葉です。部門ごとに繁忙期が違うので、それぞれ話し合いながら月に1〜2回、この日は早くみんなで一緒に帰ろう、という日を決めてそれを実践する取り組みです。もちろん残業時間の削減を意図していますが『リフレッシュしようね』というニュアンスで打ち出しました」と、取り組みの意図を解説してくれた。
発表当初は若干の戸惑いもあったそうだが、それから2年以上が経つ今となっては「『今日はTMKなので帰ります』という風につかわれており、いつから始めたか思い出せないくらい」と言われるほど浸透しているそうだ。
セールスフォースの導入で、自社の工数管理の仕方を見直すことに
このように、働き方が以前と明らかに変化したイー・ステート・オンライン。では、なぜここに「TeamSpirit」が必要だったのか? その理由の一端として挙げられるのが、社内で行なわれた大規模なシステム変更だ。
先行して実施されたセールスフォースの導入にあたり、管理すべき情報が改めて洗い出され、その過程で「勤怠管理や経費精算、工数管理の管理ができるソリューション」に興味が示され始めたという。
特に、工数については重要度が高いと位置付けられた。それというのも、同社のサービス領域は多岐に渡り、案件ごとの内容もひとつずつまったく違うため「種類も基準も多い中で、どういうふうに工数を管理すれば良いのか?』が、長年の課題とされてきたからだ。
それを打開する策として、セールスフォースと連携でき、工数管理や勤怠管理、経費精算がワンソリューションになった「TeamSpirit」に白羽の矢が立てられた。
実際に利用してみると、セールスフォースを基点にした工数管理を行なうにあたって勤怠管理とも連動している『TeamSpirit』の利便性は思いの外だったという。今では、案件に対して誰が何時間の工数をかけたか、数字上で儲かっていても工数がかかりすぎているのではないか、なども、数字で把握できる状態になっている。
小林氏は「経営会議などで上層部も毎月、そうした数字を見ています。感覚的には想像できていたけれど裏付けとして数字が出てくると、『やっぱりそうだったんだね』とか、『え!? そうだったの?』みたいな課題が浮き彫りになるので、よりシビアに案件に向き合うようになってきました」と、セールスフォース ✕ TeamSpirit の有用性や社内での反響を述べた。
工数管理と勤怠管理が連携する価値
イー・ステート・オンラインでは、ソリューションの導入だけでなく、それが理想的に運用し続けられるようにルール設計にも工夫が凝らされている。 その一例が、「TeamSpirit」の勤怠管理機能の打刻と工数管理機能を連動させ、毎日入力することを推奨しつつ、毎月の締め日の段階で入力して申請しなければ勤怠も工数も締められないようにしている、というものだ。
「工数と勤怠の入力を連動させて制限をかけることには迷いもありました。場合によっては勤怠の情報が揃わず、締め日に締められないことも想定されたからです。しかし、ここで妥協したらこの先もずっと工数を管理できない、と思い、断行しました」と、小林氏。
こうして運用が本格化した直後の社内からの感想は、「制度の浸透と『TeamSpirit』の導入には手こずらなかった」と、上々だ。
「ユーザーインターフェースもわかりやすく、工数の入力スタイル(スライダーを動かすだけ)は、感覚的で入力しやすい。担当している物件が3つなら3本のバーのスライダーをそれぞれ動かして、それ以外の作業は『その他』に入力する。ものの10秒で工数管理が終了する」と、スムーズに受け入れられた"勝因"を分析する声も聞こえてくる。
ただ、こうした全社的なシステム導入は、部門の壁に阻まれたり、誰が主導して導入を進めるかが不明瞭になりたらい回しにされたり、といったことも考えられるはずだ。この点を伺ったところ、「弊社ではすんなりとプロジェクトがまとまり、いろんな部署が必要に応じて協力して調整していけたと思います」と、小林氏は総括した。
長年の課題がクリアになり、断然効率的になった
では、実際に「TeamSpirit」を活用したことで、どのような成果を実感しているのか?
上層部からは、会社が抱える長年の課題だった「結局、誰が何をしているんだ』という部分が明確に数字で見られるようになったこと。そして、ソリューション導入時に見るべき「会社にもたらされるメリットと従業員の負担」を天秤にかけた時、負荷がそこまで上がらずに会社としてのメリットが得られたこと。この2点への評価が高いそうだ。
加えて小林氏は、「セールスフォースを先に導入し、1年以上運用してから『TeamSpirit』を導入したので、現場の混乱はありませんでした。勤怠管理や経費精算が紙ベースからペーパーレスになったことで、楽になった、というのが社内の反応です。今では、よりペーパーレス化が進み、ソルクシーズの『Fleekform 給与』*で給与明細を電子化したり、稟議を回すのも『TeamSpirit』の電子稟議を活用しています。上司が不在でも承認ワークフローが進むので、断然効率的です」と、使用感を語った。
*株式会社ソルクシーズの『Fleekform 給与』は、TeamSpiritと連携することが可能なWeb給与明細サービスです。TeamSpiritから勤怠データの入力、給与明細の閲覧をワンストップで実現。ペーパーレス化することで人事労務部門は配布の手間を省くことができ、何時でも何処でもセキュアに給与、賞与、源泉徴収票の情報を参照することが可能なサービスです。
勤怠・工数・経費精算などをクラウドで一元化
株式会社イー・ステート・オンライン
- 設立
- 2001年2月26日
- 事業内容
- インターネットを利用した各種情報処理・情報提供サービス業
- URL
- https://www.e-state.ne.jp/
- 取材年月
- 2018年9月