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株式会社イシダテック

「TeamSpirit」の活用で年間106時間の効率化を実現!イシダテックがアナログ管理を脱却し、バックオフィスDXに成功した理由

事例ポイント

課題

  • 業界慣習から、そもそもIT化が進んでいなかった
  • 工数管理が煩雑で管理負担が大きくデータ活用も進んでいなかった
  • 社員のITに対する理解にばらつきがあった

決め手

  • 機能的で使いやすい工数機能
  • ワークログがつぶさに確認出来るダッシュボード
  • 働く場所を選ばないクラウドサービス

効果

  • 工数管理業務が年間106時間削減され大幅に効率化
  • デジタル化で年間約9,000枚のペーパーレス化を実現

事例概要

機能 勤怠管理, 工数管理, レポート・ダッシュボード
業種 製造・メーカー
従業員数 1~99人
特徴 自動化による作業時間の削減, ペーパーレス・脱エクセル, プロジェクト原価管理の効率化

株式会社イシダテックは、静岡県焼津市に本社を置く、オーダーメイド型省力化機械の開発・設計・製造を行う創業75年の老舗メーカー。完全オーダーメイドの機械と最新ソリューションを活用した画期的で革新的な生産方法を提案することで、お客様の課題解決と事業成長に貢献する。困りごとの段階から「言葉にならない課題」を引き出し、独創性により「技術的面白さ」を搭載したオーダーメイドの「秘密兵器」を提供する。また、超音波やAIなど最新テクノロジーにも強みを持つ。

イシダテックのバックオフィスDXの取組は、ある社員が「無駄が多いですね」と社長に伝えたことがきっかけで始まった。「身近な社内のIT化」からスタートし、様々な施策を積み重ねることで2022年12月には、経済産業省DX認定事業者の認定を取得するに至った。

TeamSpiritの導入は、そんな「身近な社内のIT化」の第一歩として行われ、工数管理業務の効率化やペーパーレス化に貢献した。今回は、IT化の第一歩としてTeamSpiritを導入するにいたった背景や、導入時の苦労や工夫、また具体的に得られた効果について、総務部の小山 和希氏に話を聞いた。

バックオフィスDXの第一歩は「身近な社内のIT化」

業界としてもIT化の遅れは課題となっていた。

「業界的に、お客さまや協力業者様とのやり取りは、『対面が良し』とされる文化があったり、図面の送付にFAXを使っていたりと、そもそもIT化が進んでいないという状況があります。ただ、図面を最終的に紙で確認する必要がある時はPDFファイルを送るよりもFAXの方が実利的だったりして、複合的な理由でDXが進んでいない状況でしたね。」と小山氏は語る。

同社でのバックオフィスDXプロジェクトは、コンサル会社出身でITの利便性を熟知していた石田社長(当時は専務)の発案によりスタートした。IT化が遅れていた当社の状況を見て、とある社員が「無駄が多いですね」と社長にハッキリ伝えたことがきっかけだという。

事業の効率化や継続性などの観点から、まずは「身近な社内のIT化」としてプロジェクトがスタートしたそうだ。

「TeamSpirit」の導入で「身近な社内のIT化」に成功。成功のカギは伴走型支援

当時、工数管理やそのデータ活用について大きな課題を抱えていたという。「製造業の特徴でもあるのですが、とにかく工数管理の項目が多く『いつ何をしていたのか?』といった作業内容を細かく記録する必要があります。製品ごとに付与される製造番号や工程に合わせて紐づけすることも重要です。当時は、この作業日報を紙でやりとりしていたので、社員から提出された作業内容を私が基幹システムに手打ちしていました。基幹システムに入力された工数や勤怠情報の出力形式はPDFのみでした。」と小山氏は語る。将来のデータ活用を見据え、勤怠データや工数データといったワークログ情報を正確かつスムーズに把握する必要があった。

「TeamSpirit導入の大きな決め手は工数管理機能です。これは競合他社と比較して圧勝でした。」と小山氏。経費精算機能もあり、プロジェクトの原価計算や費用対効果といったワークログ情報がダッシュボードでつぶさに閲覧することができる点も決め手となった。「クラウドサービスなので働く場所による制約もありません。従来の基幹システムとの連携面でも、現在の運用と大きく乖離せずに構築できることも魅力的でした。」と語った。
しかし、いざシステム導入を進めてみると、ITに対する理解や世代ごとの価値観もばらばらであり、プロジェクトの進行は一筋縄ではいかない状況であった。

小山氏は、独自の説明書の作成に取り組んだ。利用する社員が小さなことで躓いたり、使いにくさを感じたりすることがないよう、理解しやすい文言に置き換えていく工夫を施した。「自分が知らない単語が出てくる文章は読みたくなくなりますから」と小山氏は言う。

また、対面での社内説明会も複数回にわたり開催した。「スマホを持ってきたら、レクチャーしますよ」とアナウンスし伴走型の支援を継続してきた。3ヶ月経つと、説明会を聞きに来る人がピタリといなくなった。操作方法を習得した社員が、別の社員に教え合うという循環ができ、その波がスムーズに拡散していった。「システムをリプレイスすれば、自分自身も会社も楽になることをいつも念頭において、丁寧に少しずつ浸透させていくことを心がけていました」と小山氏は語った。

(小山様が作成された実際のマニュアルがこちら)

年間約106時間を効率化。効率化で生まれた時間を付加価値創造時間に配分

TeamSpiritの導入により、従来は紙の作業記録を1日30分程度かけて基幹システムに打ち込んでいた時間がゼロとなり、年間約100時間の工数削減につながった。また、税理士へのデータ送付に伴う作業も年間6時間ほど削減でき、合計で「年間106時間分」の付加価値創造時間を捻出することに繋がった。繁忙期に行う給与計算業務は休日出勤で対応することもあったが今後は解消される見込みだ。さらには、デジタル化により年間約9,000枚の書類が削減され、ファイル保存する場所も不要となった。

「新しく生まれたリソースは企業広報活動や、データの定性分析などに使いたいと思います。データの活用は、週1回の幹部会議や、残業時間の把握などに使われていますが、まだまだこれから発展させていく方針です。」と小山氏は語る。

TeamSpiritの導入で効率化されたものの一例

  • 作業日報の基幹システムへの打ち込み時間 (年間約100時間)
  • 税理士へのデータ送付作業 (年間約6時間)
  • 年間約9,000枚の報告書類
  • 報告書類をファイリングして管理するスペース

最後に、DXに取り組みたい企業に向けて小山氏は次のように語った。
「TeamSpiritは勤怠、工数、経費などが連動していて使いやすく、DXへの第一歩を踏み出したい企業にはうってつけだと思います。DXとはこうあるべきと、大上段に構えて進めるのではなく、身近なことから始めるとスムーズにいくのではないでしょうか。当社の場合もまずは既存の仕組みをデジタルに置き換えることで、面倒だと思っていたことが意外と簡単だったという成功体験を積んでもらうことで、浸透していきました。」

豊富なIT人材を抱えていない企業でも、小さな一歩を積み重ねることでDXを実現することができることを、イシダテックは見事に証明した。同社の進化はこれからも加速し続けるだろう。

株式会社イシダテック

設立
1989年4月20日(創業1948年3月1日)
事業内容
イシダテックは食品・医薬品業界向けの省力化機械をオーダーメイドで開発・設計・実装を行うメーカー。
創業以来、原料処理や二次処理、冷却・殺菌、計量・充填、搬送・洗浄などの機械を製造。AIなどの最新技術等と融合し、製造工程の変革を推進。
URL
https://www.ishida-tec.co.jp/
資本金
1,000万円
取材年月
2023年2月