IPO準備企業の内部統制のコツ|審査に大きく関わるバックオフィス改革を解説
著者:チームスピリット編集部
事業を営むうえでIPO(新規株式公開)を1つの目標としている企業も多いでしょう。「上場企業」となり株式市場に参入することで、一般の投資家にも株式を取得してもらえるなど資金繰りがしやすくなるというメリットがあります。
日本国内には実に約400万社の企業が存在しますが、日本取引所グループ(JPX)によると上場企業はわずか3,700社ほどに過ぎません。IPO(株式上場)をするということは、日本企業の中でも0.1%にも満たない上場企業の1社になることを意味します。
しかし、IPOは企業経営において通過点に過ぎません。ゴールではなく、IPO後もいかに成長し続けるかが問われます。そういう意味では業績の向上はもちろんですが、それと同時に上場企業にふさわしい内部統制も求められます。
そのため、機能的なバックオフィスを構築することでIPO後の経営基盤を盤石にすることも重要です。本記事では、IPO実現のために求められる内部統制とバックオフィス改革についてくわしく解説します。
チームスピリットは、「グロース市場上場企業の22.9%が利用(※2018年〜2020年上場承認企業データ)」「継続率99.62%(※2024年7月末現在)」という特徴を持つバックオフィスシステムです。
特に、IPO(新規上場)を目指している企業や財務会計目的の企業にぴったりのシステムです。
「チームスピリットがIPO準備企業に選ばれている理由を知りたい」「IPOに向けて最適なシステムを探している」という企業担当者様に、チームスピリットが選ばれる理由が分かる資料をご用意しました。
- 会計監査や上場審査がますます厳しくなっている現状
- 主に審査される具体的な内容(労務管理・企業の継続性・コーポレート・ガバナンス)
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多くの企業に選ばれているチームスピリットだからこそ上場審査を控えている企業様に最適なサポートが可能です。まずは資料をダウンロードしてぜひご一読くださいませ。
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内部統制報告とは
多くの企業がIPOを目標に掲げる背景には、事業をよりスケールさせる効率的な手段であることが挙げられます。
IPOによって莫大な資金調達が可能になり、事業拡大に向けた投資がしやすくなります。また、証券市場で取引されることで企業の知名度向上や優秀な人材を採用しやすくなる点もメリットだと言えるでしょう。
しかし、その一方で株主購入の対価として株式価値を常に向上させなければならないという重責がのしかかります。さらに上場企業においては、内部統制報告制度をはじめとしてさまざまな制約も受けることになります。
内部統制報告制度では、上場企業が事業年度ごとに「内部統制報告書」を有価証券報告書とセットで内閣総理大臣に提出することが義務づけられています。
では、具体的に内部統制報告ではどのような説明が求められるのでしょうか。金融庁が定めている4つのポイントに分けて解説します。
ポイント1:業務の有効性及び効率性の確保
内部統制を行う目的の1つ目は、業務の有効性及び効率性の確保です。
事業や業務の目的が達成され、企業活動がきちんと機能しているか、または効率的に運営されているかを報告する必要があります。そのため、時間、人員、物資、コストなどのリソース活用の合理性を確保することが重要です。
ポイント2:財務報告の信頼性の担保
財務報告の信頼性の担保も、内部統制を行う上で重要なポイントとなります。
上場企業では4半期ごとに決算報告を行うのが通常ですが、この報告自体が虚偽であったり、信頼性が低かったりすると意味がありません。そこで、企業の財務報告の信頼性を担保するために内部統制報告を行います。
そもそも内部統制報告が制度化された背景には、かつて一部の上場企業で相次いだ粉飾決算事件に端を発していることから、特に財務報告の信頼性は重視されるポイントでもあります。
ポイント3:事業活動に関わる法令等の遵守
内部統制のポイント3つ目は、事業活動に関連する法令及び、その他の規範遵守の促進です。
最近では「コンプライアンス」という言葉で表現されることも多くなりました。どんなに業績が良くても、違法行為が行われている企業の信頼性は低いでしょう。
事業運営において最低限遵守すべき法律を守っている、社会的信用の高い企業である旨を報告する必要があります。
ポイント4:企業の資産の保全
「企業の資産の保全」という面からも、内部統制はとても重要となります。
企業が保有する預金や株式、不動産などの資産は、当然ながら経営者のものではありません。いくら経営者の立場だとしても、勝手に私物化したり処分したりすることはあってはならないのです。
資産を新たに取得する際や、処分する場合には必要な手続きがルール化されており、きちんとその内容に沿って行う必要があります。
IPOの審査に大きく関わるバックオフィス業務
事業規模の拡大に伴ってIPOを目指す場合、多くの企業ではスケールする事情内容に合わせて業務の見直しや組織の再編が求められます。単なる企業運営としては問題ないことでも、IPOをするとなると社内の管理部門やバックオフィス部門の強化が必要なケースは少なくありません。
ではIPOを目指すうえで、管理部門やバックオフィス部門ではどのような改革が必要なのでしょうか。求められる役割を確認しましょう。
役割1:統制環境を作り整備する
IPO実現のためには、オーナーや代表が独断で経営を行うのではなく、あくまでも組織的な運営がなされていることが大前提となります。そのため、例えば取締役会や監査役の設置、業務の役割に応じて適切な権限を与えることも重要です。また、従業員の給与や昇進などにも影響する人的リソースへの方針を明確にし、従業員の能力を引き出しながら組織全体を成長させていくことも求められます。
もちろん、会社組織の基盤である決裁権限や稟議制度の整備、適切な運用も統制環境作りも基本となります。経営者の考え方や姿勢によっても会社の雰囲気は変わるものですが、それ以前に組織として盤石な体制を維持していくためにも統制環境の整備は不可欠な要素だと言えます。
役割2:法令遵守に基づいた労務を行う
IPOを目指す企業の内部で適切な労務環境が構築されているかは、非常に重要なポイントです。
従業員が危険な労働環境に晒されていないか、適切な安全対策が講じられているかはもちろん、勤怠管理も重視されます。特に36協定に基づき就業状況が管理され、長時間労働が常態化されていないか、残業代の未払いが発生していないかなどもIPO前の監査で当然チェックされるということを覚えておきましょう。
パートやアルバイトを雇用している企業の場合、一部条件をクリアすれば非正規雇用であっても社会保険の加入義務が発生します。また、ハラスメント対策も含めたさまざまな労務関連の取り組みが遅れている中小企業では、労使間の紛争やトラブル、損害賠償請求のリスクが懸念されます。
それらにおいて疑念やリスクがあると判断されると、IPOの審査において承認が下りない恐れもあるため、早急な対策が求められます。
役割3:継続性のある事業体制を構築する
IPOを果たしたにもかかわらず、その直後に会社の経営が立ち行かなくなり破綻してしまうようでは意味がありません。そうなると自社はもちろん、株式を購入してくれた投資家の方々を裏切る結果となります。そのため、当然のことではありますが上場後も事業が継続的に存続できるかを判断します。
IPO後は事業に不可欠な仕入れや販売の取引先、提供している製品の需要、原価やその他コストを考慮した収益性なども判断材料となり、企業の継続性がより厳密に判断されます。そのため、バックオフィス部門では適切な収益管理ができているか、業界全体の動向と照らし合わせながら管理することが求められます。
役割4:従業員の業務や健康管理も徹底する
IPOを果たすためには内部統制環境の構築が不可欠ですが、場合によっては業務プロセス変更のために現場の従業員に多大な負担を強いることも考えられます。たしかに内部統制を構築するには相当の時間と労力が必要とされますが、それによって本来の業務が疎かになり、会社としての生産性や業績が悪化するようでは本末転倒です。
従業員に過度な負担がかからないように、IPOの実現を目指しつつも業務内容や健康管理もきちんと行うことが求められます。できるだけ現場の従業員に負担をかけずに効率良く準備を進められるように、業務プロセス改革の実行を遂行する必要があるでしょう。そのためには、就業状況を正確に把握できる効率の良いシステムの導入の必要性が出てきます。
内部統制の整備は「チームスピリット」の導入で解消
内部統制を整備するためにバックオフィス部門ではさまざまな業務の整理が求められますが、その実現に大きく貢献するのが「チームスピリット」シリーズのシステムです。
会社組織として不可欠な工数管理やルーチンワークである労務管理も、チームスピリットを導入すれば徹底した簡素化・省力化が実現でき、現場の従業員に負荷を最小限に抑えられます。
IPOを目指すうえで、チームスピリット活用のポイントを3つ紹介します。
ポイント1:柔軟な働き方を実現しつつ、労務リスクを回避できる勤怠管理
「チムスピ勤怠」はPCやスマホ、タブレットなどマルチデバイスに対応しているほか、データを可視化するレポート・ダッシュボード機能も搭載しています。
毎月の残業時間や有給消化率なども一目で直感的に把握できるため、従業員の長時間労働の是正において一役を買います。
ポイント2:運用で混乱を招かず、内部統制がとれたスムーズな意思決定ができる電子稟議
内部統制に不可欠な稟議を効率化するためにおすすめなのがチムスピシリーズの稟議機能です。
ペーパーレスで煩雑な紙での管理がないほか、面倒なワークフローシステムを一から構築する必要もありません。また、稟議に必要なフォームも簡単に作成できるため、スムーズな意思決定の流れをサポートします。
ポイント3:勤怠管理と工数管理が一体となっているからこそできる、正確な原価管理
コスト管理や原価管理に不可欠なのが従業員の人件費です。チムスピシリーズの「チムスピ勤怠」「チムスピ工数」に加えてアドオンの「プロジェクト原価管理」も活用すれば、Salesforceと簡単に連携してプロジェクトの予実管理に役立てられるほか、「チムスピ勤怠」と連携して人件費の予算管理も可能です。
勤怠管理と工数管理それぞれの機能が1つのプラットフォーム上に存在しているからこその機能性だと言えます。
▼原価管理のイメージ
※プロジェクトごと・月ごとにどれくらいの原価がかかっているのか、それは予定に対してどの程度乖離があるのかがひと目でわかる。
▼原価管理に必要となる「工数」を正確に入力できる(勤怠から按分でき、工数の合計が勤怠時間と等しくなるように入力できる)
上場前にチームスピリットで内部統制を改善した事例
チームスピリットには内部統制の構築に役立つさまざまな機能が搭載されていますが、実際に導入することでどんな利点があったのでしょうか。チームスピリットを活用し上場を果たした、株式会社カオナビ様の事例を紹介します。
株式会社カオナビ「上場企業にふさわしいガバナンス体制が構築できた」
タレントマネジメントシステムの「カオナビ」を提供している株式会社カオナビ様では、これまで表計算ソフトでの勤怠管理を行っていたほか、稟議もメールでのやり取りが中心でした。そのため、従業員の負担が大きい点が課題でした。また、管理側としても、ちょっとした入力ミスで勤怠管理や経費精算にも影響を及ぼす懸念があり、バックオフィス改革が社内で求められていたのです。そうした課題の解決や上場に備えて会社としてのガバナンスを強化する目的でチームスピリットが導入されました。
チームスピリット導入後は、従業員が「手間が省けるようになった」と作業の効率化を実感。休暇申請がアプリで対応でき、残業時間や有給休暇消化日数についてもリアルタイムで確認できるようになり、管理部門の手間を大幅に軽減することに成功しました。特に経費申請や電子稟議に関しては、「上場企業にふさわしいガバナンス体制になった」と評価いただいています。
IPO前のバックオフィス業務の整備は「チームスピリット」で
チームスピリットはIPOに欠かせない企業の内部統制を支援し、従業員の業務負荷軽減にも貢献します。
大企業から中小企業まで多くの導入実績があり、クラウド型のサービスであるため導入も簡単です。導入前の相談も承っていますので、お気軽にお問合せください。
内部統制とバックオフィス改革を効率化!
IPO実現に向けて何をしたら良いか模索中の企業担当者様に、有益な情報をまとめた資料をご用意しました。
- 会計監査や上場審査がますます厳しくなっている現状
- 主に審査される具体的な内容(労務管理・企業の継続性・コーポレート・ガバナンス)
- 上場審査通過のために役立つチームスピリットの機能・活用方法
チームスピリットは、「グロース市場上場企業の22.9%が利用(※2018年〜2020年上場承認企業データ)」「継続率99.62%(※2024年7月末現在)」という特徴を持つバックオフィスシステムです。
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