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基礎知識

コストセンターとプロフィットセンターの違いとは?どちらを目指すべきか

著者:チームスピリット編集部

この記事は約7分で読み終わります。

強固な縦割り組織では部門間に壁が生じやすく、特にコストセンターとプロフィットセンターとの壁が分厚い企業は多いです。

近年、コストセンターのプロフィットセンター化が注目されるようになり、業務の範囲内で収益を獲得できるように動くケースが増えました。

今回はコストセンターとプロフィットセンターの違いについて解説します。あわせて、コストセンター転換のメリットや方法にも触れるので、ぜひ参考にしてみてください。

コストセンターとプロフィットセンターの違い

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まずは、コストセンターとプロフィットセンターとの違いを理解しておきましょう。企業の方向性や戦略を練るためには、それぞれの違いと特徴を理解したうえで、適切な采配を行う必要があります。

コストセンターとは

コストセンターとは、会社に直接的な利益を生まない部門のことを指します。主に、総務・人事・労務・法務などのバックオフィスや庶務・秘書などの事務部門を指すのが特徴です。

組織の運営において欠かせない部門ではあるものの、コストのみが集計されるためコスト部門と呼ばれることもあります。そのため、コストセンターでは部門にかかるコストを最小限に抑えることが目標として掲げられています。

プロフィットセンターとは

プロフィットセンターとは、会社に直接的な利益を生み出す部門のことです。例えば、営業部門・販売部門・製造部門・マーケティング部門などが挙げられます。

プロフィットセンターでは、収益と費用の両方が集計され、収益から費用を差し引いた分、すなわち利益を最大化することが求められます。

コストセンターとプロフィットセンターの分類は企業によって異なる

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ここまでコストセンターとプロフィットセンターの違いや該当する部門について解説しました。しかし、企業によってはコストセンターとプロフィットセンターの位置付けが異なることがあります。

例えば、コールセンターの場合は直接的な利益を生み出さないため、コストセンターとして分類されることが多いでしょう。しかし、企業の中には顧客とのスムーズなやり取りからリピーターを獲得できるという点に着目し、プロフィットセンターとして分類するところも増えてきています。

すべての業務が必ずしもコストセンターとプロフィットセンターに二分されるわけではないため、おおまかに分類するのが大切です。

コストセンターからプロフィットセンターへ転換するメリット

近年、コストセンターをプロフィットセンターに転換する企業が増えています。

これまでコストしか集計されていなかったコストセンターの部門を、「戦略人事」「戦略総務」などといったように方針を変えれば、利益を最大化させることにつながります。

なお、コストセンターからプロフィットセンターに転換するメリットは、次のとおりです。

・業務の質が上がる
・利益が最大化される
・競争力が向上する

例えば、これまで他部門に無償で提供していた社内サービスを有償にすることで、顧客とサービス元という意識が生まれて業務の質が向上します。同じ企業内でのやり取りなので企業活動自体には左右しないものの、部署における利益やコストが発生するようになり意識が高まります。

また、グループ会社の入社手続きを請け負うなど、会社単位の取り引きに広がれば利益が最大化します。自社が持っているノウハウを他社に販売するなど、チャネルを広げるのもひとつの手法です。

ほかにも、今後の経営方針づくりの会議に人事部が参加し、人事戦略の面からアドバイスする「戦略人事」などを立てて競争力向上を図る企業も増えています。高スキル人材を次世代リーダーとして採用するなど、これまでにない動きが取れれば会社全体の利益に貢献します。

プロフィットセンターへ転換する方法

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ここでは、コストセンターをプロフィットセンターに転換させる方法を解説します。特に注意したいポイントにも触れるので、参考にしてみてください。

事業戦略を全社員に共有する

まずは、事業戦略を全社員と共有します。コストセンターとプロフィットセンターそれぞれの考え方や違いについても触れながら話すのがポイントです。

なぜ現状の体制では問題なのか、根本的な課題意識から共有すると理解してもらえます。そのうえで、コストセンターをプロフィットセンターに転換するメリットや具体的な手法を伝えることが大切です。

従業員全員が納得したうえで協力してもらえるよう配慮し、一方的な動きにしないことが重要です。

他部門との連携を強める

プロフィットセンターへの転換には、コストセンターとプロフィットセンターの各従業員が連携することが大切です。特に、プロフィットセンターの従業員が持つノウハウやナレッジは、積極的に共有することをおすすめします。

ただし、一方的に教える(もしくは教えてもらう)だけでは社内にパワーバランスが生じてしまうことがあります。縦割り組織から脱却するため、まずは部門の壁を超えた社内コミュニケーションを構築するなど、話す機会づくりから始めることが重要です。

ITツールを導入する

コストセンターをプロフィットセンターへ転換するにあたり、必要な情報へ瞬時にアクセスできる環境を整えることが大切です。

例えば、コールセンターをプロフィットセンターとして運用する場合、顧客データや問い合わせ内容をスムーズに共有できる仕組みを構築すれば、顧客に応じたやり取りが実現でき、利益を生み出すことにつながります。

まずは、他部門の間でどのような情報を連携すべきか、あらかじめ決めておくことが大事です。そのうえで、機能やコストなど複数の面から、自社に合ったITツールがないか探してみましょう。

プロフィットセンターを取り入れるときの注意点

プロフィットセンターを取り入れるときの注意点として下記が挙げられます。

顧客への価値提供を重視することを忘れない

コストセンターをプロフィットセンターとして位置付けるにあたり、顧客への価値提供は忘れないよう努めましょう。商品やサービスの質を落としてしまっては、顧客満足度の低下につながりかねません。

プロフィットセンター化を無理に進めてしまうと、従来のルーティンワークが崩れるおそれもあります。顧客ニーズに対応した施策になっているかも確認しながら、進めていくことが大切です。

顧客に関するデータ管理は社内全体で共有する

顧客に関するデータは社内全体で共有することも大切です。顧客管理システムを使ってすぐに顧客情報を閲覧できるシステムを整えれば、「誰に連絡しても確実な対応をしてくれる会社」として評判が良くなります。

これまで顧客データを管理していた部門が見落としがちだったトラブルの種や新規事業のヒントに、ほかの部門の担当者が気づくかもしれません。思わぬコラボレーションが生まれる可能性もあります。業務効率とイノベーション、どちらの側面でも顧客情報はリアルタイムに共有した方が企業にとって大きなメリットとなり得ます。

まとめ

コストセンターは企業運営に欠かせない部門ですが、直接利益を生み出せず、コストしか集計されないことから、常にコスト削減と業務効率化を求められがちです。コストセンターのプロフィットセンター化が実現できれば、コスト削減だけでなく利益の最大化を見込めます。

転換を進める際は、事業戦略を幅広く社内に伝え、共感を得たうえで実施していくことが大切です。また、他部門間で必要な情報へスピーディーにアクセスできるようITツールの導入も積極的に進めておきましょう。