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基礎知識

【テーマ例あり】1on1で「話すことがない」と部下に言われたときの対処法

著者:チームスピリット編集部

この記事は約7分で読み終わります。

近年、1on1ミーティングを導入する企業が増加しています。導入を検討している、または決定した企業もあるでしょう。しかし、1on1の導入が決まったものの、一体何を話せば良いのかと困っている担当者の方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、1on1ミーティングで話すテーマの例や、部下に「話すことがない」と言われたときの対処法などについて解説します。

1on1では部下に話してもらうことが大切

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1on1ミーティングで話すことを考える前に、まず理解しておきたいのが、1on1ミーティングは部下が話す機会であるということです。

評価のための人事面談などでは、上司や担当者が話す時間が長いでしょう。1on1ミーティングはその逆で、部下に話してもらうことで現状や課題を把握したり、能力を引き出して成長を促したりするために実施します。

あくまで主役は部下なので、上司は話しすぎないように聞き役に回ることが大切です。ただし、部下の意見を何でも取り入れる御用聞きになってしまわないように、注意する必要があります。

1on1では何を話す?テーマ例を見てみよう!

人事面談や会議など、通常のミーティングは議題が明確であるため、話す内容に困ることは少ないでしょう。

しかし、部下の話を引き出す1on1ミーティングでは、何を話すべきなのか悩む人も多いのではないでしょうか。そこで、1on1ミーティングで話すテーマ例を紹介します。

プライベートに関する内容

1on1ミーティングで話すと良いテーマのひとつが、部下のプライベートに関する話です。プライベートな話は相互理解を深めて、信頼関係を築くきっかけになります。

とくに初回の1on1ミーティングや、話が途切れたときのつなぎとして、プライベートな話が役に立つでしょう。ただし、あまりプライベートな話に踏み込み過ぎると、不快に感じる人もいます。部下が話したくないといった話題は避けるようにしましょう。

心身の健康状態

心身の健康状態に関する話も、1on1ミーティングのテーマとしておすすめです。業務量や人間関係に問題はないか、きちんと睡眠を取れているかなどを確認すれば、健康診断では分かりにくい、メンタル面の不調まで把握できる可能性があります。

とくにテレワークが多い職場では、部下の健康状態を把握しにくいため、1on1ミーティングで確認するのが有効です。

業務に関する課題や悩み

業務上の課題や悩みも、1on1ミーティングで確認しておきたいテーマです。業務量や現状の課題だけでなく、部署内の人間関係についても、部下の意見を聞いてみましょう。

上司への要望など、普段は口に出しづらい内容も、1on1ミーティングなら話してもらえることがあります。ただし、部下の意見や要望を聞き取るだけでなく、それらを基に職場環境を改善するための行動に移すことも大切です。

会社の戦略や方針

会社の戦略や方針は、大勢に向けた周知だけでは伝わりにくいため、1on1ミーティングで個別に共有するのが重要です。1on1ミーティングの場であれば、意志決定の背景なども詳しく話せるので、より理解を深めやすくなります。

ただし、上司側ばかりが話すのは1on1ミーティングの目的に沿わないため、戦略や方針に対する部下の考えを聞いてみると良いでしょう。

今後のキャリアやスキルアップ

今後のキャリアやスキルアップの話も、1on1ミーティングに向いているテーマです。部下の強みや今後チャレンジしてみたい仕事などについて聞き、キャリアプランを明確にしましょう。

質問への回答から、部下が潜在的に考えている将来像を導き出し、そのための才能を開花できるようにサポートします。

1on1で話すことはシチュエーションや目的に応じて決める

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1on1向きのテーマはさまざまですが、やみくもに話せば良いわけではありません。

1on1ミーティングをより効果的なものにするには、シチュエーションや目的に応じて、話すテーマを決定することが大切です。ここでは、シチュエーションや目的別に、1on1ミーティングで話すと良いテーマを紹介します。

部下と良い関係を築きたい

1on1ミーティングを取り入れてすぐの時期など、部下と良い関係を築くことを目指している場合は、プライベートについて話すと良いでしょう。プライベートを共有できると、親密度が上昇して良い関係を築きやすくなります。

休日の過ごし方や趣味、好きなスポーツや食べ物、映画など、プライベートに踏み込み過ぎず、気軽に話せる話題がおすすめです。そのほか、仕事に対する思いや考えについて質問し、相互理解を深めるのも良いでしょう。

部下のモチベーションを高めたい

部下のモチベーションを高めたい場合は、業務で気になる点や不安な点などを聞いてみましょう。ただ聞くだけでなく、改善に努めれば、従業員エンゲージメントの向上が期待できます。

さらに、部下の業務に取り組む姿勢や社内での評判などを伝え、プラス面を最大化すると、モチベーションアップにつながるでしょう。

キャリア支援をしたい

部下のキャリアを支援したい場合は、部下自身の強み・弱みや今後チャレンジしたい仕事などについて尋ねると良いでしょう。このとき、上司側がキャリアプランを立てるのではなく、部下自らで考えるよう促すことが大切です。

とくにやりたいことはない、ビジョンがないという部下に対しても、自分の強みややりがいを感じる場面などを尋ねてみましょう。それをきっかけに、キャリア形成を意識してもらえるようになるかもしれません。

1on1で部下に「話すことがない」と言われたときの対応

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さまざまなテーマを考えて話を振っても、「とくに要望はない」「話すことがない」と言われることがあります。

しかし、1on1ミーティングは部下を主として進めるミーティングなので、話すことがないと言われると困ってしまうものです。そこで、ここでは1on1ミーティングで部下に話すことがないと言われたときの対処法を解説します。

まずは「話すことがない」原因を把握する

1on1ミーティングで部下に話すことがないと言われたら、まずは原因を把握しましょう。よくある理由としては、以下のようなものがあります。

・上司と部下の間に信頼関係ができていない
・何を話したら良いか分からない
・話しても良いことかどうか迷っている

1on1ミーティングはデリケートな話をすることもあるので、信頼関係が築けていないとなかなか話をしてもらえません。このような場合は、話をさせることよりも信頼関係を築くことから始めるのが重要です。

1on1ミーティングで話すテーマが決まっていない、共有されていないなどで、話すことがないと言われることもあります。事前にテーマを決定し、部下に共有することを徹底しましょう。

1on1ミーティング開始時に今日のテーマを伝えるのも良いですが、前もって伝えておくと、部下が話したいことを整理する時間が作れます。

話すと怒られるかもしれない、評価に響くかもしれないと警戒して、話して良いかどうかを迷っているケースもあるでしょう。このような場合は、部下が話しやすい雰囲気をつくること、評価には影響しないと明確に伝えることが大切です。

部下に寄り添いながら話を引き出す

1on1ミーティングで部下に話すことがないと言われないようにするには、部下に寄り添いながら質問し、話を引き出す必要があります。

1on1ミーティングのテーマをあらかじめ共有して、準備する時間を作ってあげましょう。いきなり本題に入らず、雑談から始めて話しやすい雰囲気作りをすることも重要です。

また、話を遮られると話しにくくなってしまうこともあるので、上司は聞き役に徹することを意識しましょう。

先に上司が自己開示するのもおすすめです。友達感覚にならないように注意する必要がありますが、上司が先にプライベートの話や率直な気持ちを伝えると部下も話しやすくなります。

まとめ

1on1ミーティングは、部下の課題解決や成長を促すために行うものです。業務の現状や課題、キャリプランなど、部下の成長につながるテーマを考えてみましょう。心身の健康状態や、プライベートについて話すのもおすすめです。

より効果的な1on1ミーティングにするためには、シチュエーションや目的に応じてテーマを決めることも重要です。まずは、1on1ミーティングをする目的から考えてみましょう。